次のユニコーンを狙う TikTokのバイトダンス、新消費財ブランドに相次いで投資

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バイトダンス(字節跳動)は設立からこれまで100回ほどの投資においてコンテンツや企業向けサービスを重視してきたが、新型消費分野へも度々投資している。

昨年はロボット掃除機ブランド「NARWAL(雲鯨)」や火鍋具材専門の生鮮コンビニチェーン「懶熊火鍋(Lazy Bear Hot Pot)」、今年に入ってからは低カロリーのサワーのブランド「空卡(QOKA)」、健康的なレトルト食品ブランド「鯊魚菲特(SHARKFIT)」、オーラルケアブランド「参半(NYSCPS)」に投資した。

ビジネスメディア「晚点(LatePost)」によると、バイトダンスはさらに新スタイルの茶飲料ブランドや有名インフルエンサーのマネジメント企業などに投資した。これが事実であれば、過去1年間で少なくとも7つの新型消費ブランドに投資したことになる。

バイトダンスは多額を投じてEC事業を強化している。

新型消費ブランドを早期に押さえる

バイトダンスは将来の消費傾向を代表するブランドを早期に押さえている。

昨年はコロナ禍で火鍋用食材のサプライチェーン企業が急成長。バイトダンスが2回にわたり投資した懶熊火鍋もそのひとつだ。同社は2019年末設立で、フランチャイズで急速に店舗を拡大した。2020年のGMV(流通取引総額)はすでに2億元(約35億円)を突破、今年2月時点で1100店以上を抱える。

鯊魚菲特は2018年7月にアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」で販売を開始し、2020年の売上高はすでに2億元(約35億円)を超える。

このほか、空卡の低アルコール飲料業界は昨年ベンチャーキャピタルがこぞって投資した分野で、オーラルケア業界も急成長が期待される。

バイトダンスは本業と関わりのないプロジェクトにも投資し、情報筋によると投資の意思決定は速く、リターン重視だという。

暫定的な統計によると、2014年から現在までにバイトダンスの手がけた投資は129回、買収以外の投資は91回で、アーリーステージの案件に出資することが多い。投資先は主にカルチャー、エンターテイメント、マスコミと企業サービスに集中し、消費財分野への投資は2年前からだ。

抖音が描く「ECの夢」

昨年はコロナ禍でECが急成長し、インフルエンサーによるライブ配信でショート動画アプリ「抖音(Douyin、TikTokの中国国内版)」のEC事業は急拡大した。同時にライブコマースプラットフォームの大手として、抖音は新ブランドの成長にとって重要なチャネルになった。

バイトダンスもライブコマースのGMV(流通取引額)からの手数料を徴収するだけではなく、出店ブランドからさらに利益を獲得しようと昨年6月にEC部門を立ち上げ、傘下の抖音、ニュースアプリ「今日頭条(Toutiao)」、動画配信プラットフォーム「西瓜視頻(Xigua Video)」などで展開するEC業務を統括している。また、抖音のライブおよび動画コマースプラットフォーム「抖音電商(Douyin Dianshang)」ではインフルエンサーから事業者に重点を移している。

抖音電商は、昨年末から北京にあった組織をEC関連資源の豊富な上海に異動させる準備をしている。出店ブランドの運営管理を常態化させ、さらに安定したGMVを維持し、出店ブランドがより多く予算を抖音電商に割くよう狙っているのは明らかだ。

抖音なりの考えがあるようだが、長期的にみて新型消費ブランドへの影響力は限定的だという意見もある。ある業界関係者は、抖音の広告配信システムは「10年前のTmallだ」と話す。

バイトダンスが新型消費ブームで利益を獲得するには、やはり出店ブランドの真の成長を後押しできるかどうかが鍵となる。

作者:WeChat公式アカウント「天下網商(ID:txws_txws)」範向東 編集:王詩琪

(翻訳・二胡)

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