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規制当局に睨まれた「アント・グループ」、業務改善計画を発表=金融持株会社へ移行の方針

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中国IT大手アリババグループ傘下のフィンテック企業で、昨年11月に上場中止となったアント・グループ(螞蟻集団)が12日、業務改善計画を発表した。同日にアント側と会談を行った中国人民銀行(中央銀行)の潘功勝副総裁が記者らの取材に応じ、その全容を明かしている。改善計画の方向性は以下の5つの柱に基づくという。

一つ目は、オンライン決済システム「アリペイ(支付宝)」事業の不当競争行為を是正し、決済方式においてより多くの選択肢を消費者に与えること。さらに、アントが運営する消費者向けクレジット決済サービス「花唄(ANT CHECK LATER)」、消費者向け小口融資サービス「借唄(ANT CASH NOW)」などとアリペイを切り離し、決済プロセスの中に信用貸付サービスを組み込む違反行為を正すこと。

二つ目は、情報の独占を放棄し、「信用調査業務管理条例」を厳しく遵守すること。個人の信用調査業務においては許可証を取得し、「合法、最低限度、必要性」の原則に基づいて個人情報を取得・使用し、個人および国家の情報の安全を保障すること。

三つめは、アント・グループを金融持株会社に移行させ、金融業務に従事する全組織をその管理下に置くこと。健全なリスク分離措置、関連当事者取引は適切に行うこと。

四つめは、規制当局による要求を着実かつ慎重に実行すること。コーポレートガバナンスを整備し、信用貸付、保険、資産運用などの金融業務を真摯に是正していくこと。

五つめは、重要なファンド商品の流動性リスクを管理・制御し、マネー・マーケット・ファンド「余額宝(Yuebao)」についてはこれを縮小させていくこと。

これらについて、アント・グループは「金融管理部門の指導のもと、真摯かつ確実に関連業務の改善を行い、金融事業の経営および成長を全面的に規範化していく。同時に事業の持続性とサービスの質を全力で保障し、実体経済、小規模企業および零細企業、消費者に対するサービスの水準を高め続けていく」との声明を出している。

潘副総裁は記者のその他の質問に対し、以下のように回答した(一部抜粋)。

ーー金融規制当局は今後、プラットフォーマーによる金融事業をどのように監督・管理していきますか。
「公平かつ厳格の原則に則り、公平な競争を促進するとともに独占を容認することなく、資本の無秩序な拡張を防いでいく。一つは、根幹にあるのは金融そのものであり、テクノロジーはあくまでこれを力添えする存在だということだ。二つめは、すべての金融事業を関連当局の監督・管理下に置くということ。三つめは、発展と規制を併存させることで、プラットフォーム経済の発展における規律を把握し、金融サービスにおける利用者体験を向上させ、プラットフォーマーの国際競争力を強固にし、さらに増強していく」

「金融規制当局は今後も『両個毫不動揺(国有経済・非国有経済の揺るぎない発展)』の方針を維持し、公平な競争が生まれる市場環境を醸成し、民間資本が法に則ってフィンテック事業を行えるよう引き続き支援し、法に則って財産権を保護し、企業家精神を発揚し、民間資本の活力とイノベーション能力を刺激していく」

ーー中国の金融規制当局は世界の関連当局との協力関係についてどうお考えですか。
「近年、フィンテックとプラットフォーム経済が急成長し、金融サービスの効率や金融システムが社会全般にもたらす恩恵を高め、取引コストを削減するのに大きく貢献してきた。しかし、金融事業は境界線があいまいで本分を逸脱しやすい分野でもある。そのためリスクが生じれば一気に拡散し、広範囲に影響を及ぼす。負の波及効果もより大きいため、規制当局にとっては新たな難題となっている。世界各国共通の課題だ。中国当局としては国際的な金融組織や各国当局との協力関係を強め、独占禁止、データ管理、運営管理、消費者保護などを進めていきたい」
(翻訳・愛玉)

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