活況の中古品ECに続々参入のショート動画勢、ライブコマースを武器に主導権を握れるか

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「具体的な企業名は明かせないが、ある中国の中古品ECプラットフォームがすでに上場準備に動き出しており、他の企業も上場の手だてを模索している最中だ」こう語るのは「星瀚資本(Sky Saga Capital)」の創業パートナー楊歌氏だ。

さまざまなカテゴリの品ものを扱う総合中古品ECや高級ブランド専門の中古品ECは、今まさに急成長期を迎えようとしている。

その証拠に、中古品取引を行う「転転(Zhuanzhuan)」や「愛回収(aihuishou)」など大手プラットフォームが上場に向けて動いていることが報じられてきた。実際、中古品ECの業績も飛躍的に伸びている。中国最大のフリマアプリ「閑魚(Xianyu)」は昨年の取引額が2000億元(約3兆3300億円)を突破し、転転は年間売上高が前年比229%の増加となったほか、それ以外の中古品ECプラットフォームでもGMV(流通総額)が大幅に伸びている。

加えて、圧倒的なトラフィックを抱えるショート動画プラットフォームの「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」や「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」も中古品取引に参入しており、中古品ECのトラフィック争奪戦が始まったと同時に、業界全体の伸び代も広がっている。

特にライブコマースは中古品の流通効率を大幅に高めることができるため、抖音が中古品EC事業に力を入れ始めたのに続き、快手も中古品ECへの参入を正式に表明した。

先ごろ、快手は中古品ECに関するオンライン発表会を開催し、昨年12月21日に中古品取引事業を始めてから3カ月間で注文が63万件に上ったことを公表した。現在、快手が取り扱う中古品はスマートフォンやブランド品が中心だが、将来的には家電製品や書籍、家具などにも事業を広げたいとしている。

閑魚がC2Cモデルのフリマ・プラットフォームであるのに対し、快手は事業者や企業に限って出品を認めており、ライブコマース方式で市場にアプローチしている。抖音の戦略は快手とほぼ同じだが、参入時期に関しては抖音が早く、中古品のGMVが2020年に30億元(約500億円)に達したほか、中古ブランド品を扱う主要な事業者のほとんどがすでにプラットフォームに集まっている。

中古品ECの専門家である李峰氏によれば、抖音は昨年下半期から中古品取引への比重を意識的に高めており、中古ブランド品のライブコマースは増加を続けている。抖音は中古品ECの事業展開において、取引業者をプラットフォームに引き入れるという第1段階をすでにクリアしており、現在は中古ブランド品と中古品ECに明確なKPI(重要業績評価指標)を設定する第2段階に入っている。李氏によれば、抖音は2021年の中古ブランド品のGMV目標を50億元(約830億円)以上に設定しているという。

抖音の試みにより、中古ブランド品のライブコマースがビジネスとして成り立つことが証明されると、快手もすぐさまそれに追随し、中古品ECの強化を図るようになった。快手の最大の強みは圧倒的なトラフィックだ。直近の財務報告によれば、昨年10~12月のデイリーアクティブユーザー(DAU)は平均2億7100万人に達したという。中古品取引において最大規模を誇る閑魚のDAUでも、快手の10分の1にも満たない2000万人だ。

ただ中古品EC事業の着手は抖音に後れをとったと言わざるを得ない。まだ取引事業者を招致している段階とはいえ、現段階の注文数では閑魚、転転、愛回収など中古品取引プラットフォームの脅威にすらなっていない。

中古品ECにとってライブコマースが最も効果的なマネタイズ方法なのかどうか、現時点ではなんとも言えない。というのも閑魚が先ごろライブコマース事業に乗り出したものの、業界内に波乱を引き起こすには至っていないからだ。

今年に入り、中古品ECは世界的な上場ラッシュを迎えている。

1月末、アパレルに特化した米国のフリマアプリ「Poshmark」が上場を果たす。金融データサービスの「Wind」によれば、同社株は上場初日から高値で推移し、公募価格を141.67%上回る価格で同日の取引を終え、時価総額は74億4000万ドル(約8100億円)に上った。3月下旬には別の中古品ECプラットフォーム「ThredUP」が米ナスダック市場に上場、取引初日の時価総額は12億7000万ドル(約1400億円)をつけた。早くに上場を果たした高級ブランド中古品EC「TheRealReal」も含め、米国で中古品取引を行う三大プラットフォームがそろって上場したことになる。

中古品ECが続々と上場にこぎ着けている米国だが、その後を追いかける中国では中古品ECがまさに急成長期を迎えているのだ。
(翻訳・畠中裕子)

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