中国EV大手NIO、低コストのバッテリー採用へ 低価格帯市場の獲得競争で

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複数の消息筋によると、新興EVメーカーの「蔚来汽車(NIO)」が、車両に使われている容量70Kwhのバッテリーパックを改良し、容量75Kwhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(以下「LiFePO4」と略称)を採用することになった。新しいバッテリーもこれまで通り、中国のバッテリー大手「寧徳時代(CATL)」が製造する。正式発表は今年第4四半期の予定だ。

LiFePO4はコストが安く、全面導入となればNIOの車両価格は下がり、より広い市場をカバーできるようになる。2020年に中国での生産を始めたテスラは、同じくLiFePO4を採用したため、「Model 3」の価格を30万元(約510万円)以上から24.99万元(約420万円)にまで下げることができ、中国での年間販売台数が10万台を超えた。新興EVメーカーの「小鵬汽車(Xpeng)」も今年からLiFePO4を採用した車種を発売し、販売台数増を目指している。

NIOのEVは充電式ではなく、バッテリーパックを交換する形式だ。バッテリーパックはサブスクで利用できる。現在使用されているのは70Kwhと100Kwhの2種類のバッテリーだ。70Kwhのものは2017年末に発表されたもので、航続距離に対する不満が購入者から多数寄せられていた。そのため2019年に最新技術を採用した100Kwhのバッテリーを発表したが、これを使用する場合は5.6万元(約95万円)の追加料金を支払わなければならない。

EV用のバッテリーには、ほかに航続距離が長い三元系リチウムイオン電池があり、NIOも2018年にこのタイプの84Kwhのバッテリーを発表した。しかし三元系リチウムイオン電池にはコストが高く、発熱しやすいという課題があり、現在は84Kwhのバッテリーパックを使用していない。

LiFePO4は発熱のリスクが比較的低く、レアアースのコバルトを使用しないためコストも安く、1Kwhあたりの料金は三元系リチウムイオン電池の75%程度だ。ネックとなる航続距離については、技術の向上で改善されつつある。NIOは、そのため採用を決めたのだろう。

同社は現在販売されている車種より低価格の新車種を開発中で、現在入手できる情報によると、価格は27.6万元(約470万円)からになる。新興EVメーカーの小鵬汽車、「理想汽車(LiAuto)」の主力車種は軒並み30万元(約510万円)台だが、LiFePO4の採用が広まれば、価格が一気に下がる可能性がある。

上記の小鵬汽車のほか、理想汽車は社内向けメールで15万元〜50万元(約260万円〜850万円)の幅広い価格帯の車種を販売する計画を伝えており、低価格車種にLiFePO4を採用することを決めている。バッテリー技術の進歩で、EV各社の低価格帯市場の獲得競争が始まっている。

(翻訳・小六)

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