胃カメラで腸にチューブ設置し減量。中国企業が肥満治療の新技術開発

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医療スタートアップの「糖吉医療(Tongee Medical)」が患者に負担の少ない肥満治療技術を開発、実用化に向け臨床研究を進めている。

2016年創業の糖吉医療は肥満症、糖尿病、脂肪肝などの代謝性疾患の治療法を研究している。今回開発した胃バイパス肥満治療技術は、胃カメラを使って腸にチューブを設置することで、従来の外科手術よりも患者への身体的負担を減らしながら、減量を実現する。

具体的には、十二指腸から空腸にかけてチューブを設置し、食べ物がチューブを通じて胃から小腸に移動するようにする。膵液、胆汁が食べ物と混ざらなくなるため、食べ物の吸収を抑制し減量を促進するほか、糖尿病、非アルコール性脂肪性肝炎などへの効果も期待できる。チューブが不要になったときも簡単に取り出せる。

現在の臨床データによると成果は良好で、チューブ設置後3カ月で超過体重減少率は25%〜76%となっており、グリコヘモグロビンに関しては平均で1.5ポイントの減少が見られ、肝線維化の進行を遅らせる効果も確認されている。

中国疾病予防コントロールセンターの専門家によると、2020年の中国人の肥満率は成人で50%以上、6〜17歳が20%弱で、6歳以下の幼児でも10%に上る。また、OECD(経済協力開発機構)によると、加盟国の総医療費のうち8.4%が肥満に起因した疾病の治療に投じられているという。

糖吉医療の当該システムは国内外で20以上の特許を取得済で、米国、EU、日本、ロシアで出願中の特許が4件ある。

同技術は中国で2020年8月に国家薬品監督管理局の医療機器技術審査センターの審査を経て、イノベーティブな医療機器向けの特別審査手続に入った。臨床研究は北京、南京、天津、西安、瀋陽、ハルピン、フフホトなどの総合病院で行われている。

技術の実用化を見据え、このほどバイドゥ傘下の「Baidu Ventures」、コ・インベスターは「朗瑪峰創投(Everest VC)」、「鼎心資本(Dingxin Capital)」から数千万元(数億円)を調達した。

(翻訳・小六)

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