家庭・一般向けクラウドストレージ、5G普及で急成長

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家庭・一般向けクラウドストレージ、5G普及で急成長

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ネットワークに接続して使用するストレージ・NAS(Network Attached Storage)を手がける「氷鯨科技(IceWhale Technology)」はこのほど、エンジェルラウンドで「起点創投(iStart)」から数百万元(数千万円)を調達した。

4G技術の普及によって動画などのリッチメディアコンテンツが急速に増えた上、導入が進む5Gがデータ通信速度を上げており、ユーザーが必要とするストレージ容量はますます大きくなる見通しだ。

デバイス数の急増とコンテンツの変化に伴い、多くのスマホユーザーはストレージ容量が足りないと感じている。クラウドストレージ業界ではこの10年にわたりサービスプロバイダ数十社がシェアの奪い合いをしてきたが、依然として収益化が困難といった問題を抱えている。

クラウドストレージとは、ユーザーがプロバイダ側にデータを保存していつでもアクセスできるサービスだが、通信速度が遅かったり、プライバシーと情報漏洩の問題も多く見られる。

それならストレージを自宅に置けば問題が解決できるのではないか。このニーズに応えてNASの一般消費者向け製品が生まれた。

昨年8月に氷鯨科技を立ち上げた創業メンバーはかつて「DFRobot」や「SAP」などで勤務し、海外向けハードウェア製品の関連業務で10年以上の経験を持つ。潘鑫磊CEOはDFRobotのCPO(最高製品責任者)だった時にインダストリアル・インターネット業界で数多くのIoTプロジェクトに携わり、AI+IoTの急速な普及や感染症流行がもたらしたホームオフィスのニーズを見て起業しようと思い立った。

「私たちは昨年初めに製品の構想を練り始めた。AIとIoTを組み合わせたデバイスの普及とイノベーションに伴ってデジタルサービスの一部をクラウドプラットフォームから家庭に移行すれば、データのプライバシー保護や高品質のストリーミング、家族間でのデータ共有などに応えるためクラウドサービスとエッジサービスのニーズが増え、家庭でより安全でプライベートなサービスが求められようになるだろう」と潘CEOは話す。

同社はNASの一般消費者向け製品を通じて、テックオタクを起点に家庭や企業のストレージニーズを開拓しようと考えた。この半年の間にクラウドファンディングプラットフォーム「Kickstarter」で初のホームサーバー製品「ZimaBoard」をリリースし、数百万香港ドル(数千万円)を調達している。

ZimaBoardはインテル(Intel)のCeleronを搭載したシングルボードサーバーとして2つのモデルが用意され、価格は79.9ドル(約8700円)からとなっている。

NASは既存のネットワークにストレージ機器を接続してデータやファイルを一括保存するもので、当初は企業での導入が進んだ。

家庭で使う際にはプライベートな空間にハードディスクなどのストレージを置き、家庭内のデバイス(携帯電話、パソコン、カメラ等)をNASとつなぐことでデータの送受信を行う。従来のようにUSBメモリーを使った端末間のコピー&ペーストは不要となる。

しかし、NASの一般消費者向け製品は近年新たに登場したものではなく、2000年以降、「Synology」「Western Digital」「QNAP」が参入したほか、スタートアップの「極空間(ZSpace)」なども手掛けている。

潘CEOは、NAS業界の急成長に伴って老舗ベンダーも近年は一般消費者向け製品をリリースしたが、規格が古く、中小企業のIT運用・保守と技術担当者がメインターゲットになっていると指摘。そのため、一般ユーザー向けのUIデザインや販売ロジックなどがまだ確立されていないとしている。

これに対して同社の特徴は、テックオタクをターゲットにし、ハードウェアとソフトウェアのオープンソース化によって海外のプレーヤーや開発者をターゲットに定めたことだ。このターゲットは、スマートホーム製品を導入するのが好きな純粋なテックオタクやプレーヤー(数千万人規模)と、主に中小企業やテック企業のリモートオフィスとプロダクティビティの責任者に分けられる。

同社はハードウェアだけでなく、開発者向けコミュニティの構築にも力を入れる。チュートリアルなどのコンテンツを公開して使用のハードルを下げ、それほど詳しくないユーザーでも3~5分でホームクラウドを構築できるようにする。

今後の見通しについて潘CEOは、業界が発展の初期段階にあるため、価格が1000元(約1万7000円)クラスの製品は非常に少なく、個人ユーザー層も大きくないと説明。もし大手が参入すれば、それが業界にとって非常に良いシグナルになるとの見解を示した。

今回の資金調達後も研究開発への投資を続け、主に基礎開発者向けに製品の改良を図ると同時に国内外でチャネル開拓も進める方針だ。最初の製品が定着した後も引き続き、家庭など一般消費者市場を開拓していく。
(翻訳・神戸三四郎)

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