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「5G商用化元年」とされた2019年から2年が過ぎた。普段の生活で5Gによる変化を身近に感じる機会は少ないが、テクノロジーに大きな変化をもたらしたのは確かだ。
5月21~22日に中国北京で開催されたイベント「Qualcomm China Tech Day 2021」では、半導体大手の米クアルコムと約100社のパートナー企業が、300近いテクノロジー製品とアプリケーションを公開した。
5G体験のうち最も身近なのはスマートフォンだろう。クアルコムはスマートフォン向けSoC「Snapdragon」の8~4シリーズを展開しており、すべて5Gに対応している。すでに120機種以上が「Snapdragon888」を採用し、そのうち40機種が公開、販売されている。
もう一つ重要な分野は自動車で、5Gがセルラー通信技術に変革をもたらすとされている。クアルコムの自動車向けソリューションは以下4つの領域に分かれる。車載ネットワークとセルラーベースの通信技術C-V2X、デジタルコクピット、先進運転支援システム(ADAS)と自動運転、そしてクラウド端末での管理だ。
同社のソリューションを搭載した自動車はこれまでに世界で1億5000万台を超えている。世界トップクラスの自動車メーカー20社が同社のデジタルコクピットを採用。さらに、過去18カ月間で中国メーカーがリリースした同社ソリューションの搭載車は20モデルにのぼる。
また、同社の5GソリューションはノートPC、次世代AR(拡張現実)・VR(仮想現実)のアルゴリズム・プラットフォーム、ロボット、各種IoTデバイス、ネットワークインフラなど広範囲に応用されている。
クアルコムは従来の半導体メーカーとしてではなく、システムソリューションのベンダーとしての地位を確立してきた。現在、同社の5Gソリューションを採用した通信、IoT、自動車などの関連デバイスが販売中または開発中で、その数は800を超える。
しかし、5Gは今さまざまな問題に直面している。消費者や業界の期待は高いものの、いまだ「キラーアプリ」の登場には至っていない。通信事業者が5Gネットワークの構築に心血を注いでいる間、関連アプリケーションが同時に開発されたわけではなかった。良質な5G使用体験の提供が遅れている要因だ。
これに対し、クアルコム中国区董事長の孟樸氏は以下のように述べている。
「当社は今後も中国での投資を拡大させたいと考えている。我々はアンドロイドによる産業構造を支持しており、中国のメーカーには国内、海外双方の市場でハイエンドのアンドロイド端末を展開してほしいと思っている」
「世界の主要な電子製品生産国そして消費国である中国はクアルコムのグローバル戦略にとって重要な市場だ。ネットワークなどのインフラが完成すれば、多くの5Gのアプリケーション、5Gモジュールがさまざまな業界で実用段階に入ると思う。そのためには各業界が力を合わせ、成長し合うことが重要だ」
世界は「5G時代」に突入し、各国で競争が激化している。中国の5G普及度は最も高く、活用分野も最も多い。今年の3月末までに、5G基地局はすでに81万9000台建設された。5Gスマホを持つユーザーの数は2億8500万人に達し、世界で最大規模の5Gネットワークの第一段階がすでに完成している。
作者:深響(Wechat ID :deep-echo)、周永亮
(翻訳:Qiunai)
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