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日韓の車載電池メーカーが事業拡大を急いでいる。
トヨタ自動車とパナソニックが合弁で設立した「プライムプラネットエナジー&ソリューションズ(PPES)」は、日本と中国両方の製造拠点で車載電池の生産能力を増強するとともに、中国・大連市にある子会社「大連プライムプラネットエナジー(PPEDL)」でラインを新設し、年内に生産を開始すると発表した。大連ではハイブリッド車用角形リチウムイオン電池を年間約40万台分製造するという。
日韓メーカーはこれまでも中国の新エネルギー車市場を注視してきた。
中国工業情報化部は2015年に「車載用蓄電池業界に関する規範・条件」を発表、新エネルギー車(NEV)関連メーカーに対し、定められた規範・条件を満たすことが政府による助成金を受給する大前提になると通知した。その条件の一つとして、政府認定の「ホワイトリスト」に掲載されたメーカーの車載電池を採用することが求められたが、LG化学、SKイノベーション、パナソニックなどの日韓メーカーはホワイトリストに掲載されなかった。一方、中国メーカーの「CATL(寧徳時代新能源科技)」は、2017年から3年連続で車載電池搭載数で世界一となっている。
国産優位の状況が変わったのは2019年6月。中国工業情報化部はホワイトリストを撤廃し、日韓の電池メーカーも再び中国市場で戦えることになった。
自動車メーカーは複数の電池メーカーとの取引を好む。サプライヤー1社に依存することはリスクになるからだ。
例えば、独フォルクスワーゲンは低価格を提示してきたLG化学と提携したが、北米地区ではSKイノベーションと、中国地区ではCATLなどとも提携、グローバル市場におけるリスクを分散している。
メルセデス・ベンツの親会社ダイムラーもLG化学、SKイノベーションのほか、中国のBYD(比亜迪)やCATLと提携する。
電池の調達を確実なものにするため、完成車メーカーは複数のサプライヤーと提携するか、合弁会社を設立して自社工場を持ち、電池製造を完全にコントロール下に置いている。GM、フォード、トヨタも例に漏れない。
GMとLG化学は「Ultium Cells」を合弁で設立し、米オハイオ州に工場を設け、次世代グローバルEVバッテリーシステム「Ultium」の製造を2022年から開始する予定だ。SKイノベーションもこれに続き、米国第一工場の竣工を待たずして第二工場を建設すると発表。欧州および中国工場でも生産量を拡大していくという。
SKイノベーションはさらにフォードと合弁事業に関する覚書を締結、フォード車専用バッテリーを製造する「BlueOvalSK」を米国で設立する。
中国市場に関しては勝ち目が薄いかもしれないが、日韓メーカーはそれでも中国市場に挑戦し続け、さらにはグローバル規模での競争へと突入していくだろう。
作者:WeChat公式アカウント「敲黒板(ID:qiaoheiban)」、趙超
(翻訳・愛玉)
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