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越境ECと中国発ブランドの海外進出という二つの大きなうねりが、合流しようとしている。
数年前まで、中国国内から海外に商品を販売する企業は、ノーブランドの低価格商品を販売し、薄利多売のモデルをとってきたが、競争が激化するにつれ、より利益率の高いブランド商品を育てる必要が出てきた。
独自ブランドで成功した企業の代表として挙げられるのが、スマートフォン・タブレット周辺機器の「Anker」と、ファッション通販の「SHEIN」である。彼らに続こうとする企業は多数あり、資金調達を行った企業も少なくない。また、国内ですでに一定の知名度を持つ企業が世界的なブランドを目指そうと海外進出することも増えてきた。
このトレンドを大きく後押ししたのが新型コロナ禍だ。オフラインで購入することが多かった欧米諸国の消費者が、感染症対策のためにオンラインでの購入を余儀なくされたため、これらの国のECの普及率が飛躍的に伸びた。そのことにより、中国国内の商品が直接先進国の消費者の手に届くことが増えたのである。
現状から見ると、中国企業の海外進出の条件は整っている。越境ECプラットフォーム、決済、物流などのインフラに加え、ECの運営ノウハウや「世界の工場」としてのサプライチェーンの能力も備わっている。海外での競争力も十分期待できるだろう。
アリババの副総裁で、越境EC事業の「全球速売通(AliExpress)」の王明強総経理によると、新型コロナ禍の最中において、中国の消費財の越境EC売上高は急増したという。過去1年間、AliExpressでは特にコンシューマーエレクトロニクスとインテリア製品の伸びが著しく、ともに100%を超えた。
王氏はこの状況を中国企業の海外進出の好機と捉え、5月26日にAliExpress主催の「G100海外進出プラン」戦略発表会を深圳で開催した。同プランは中国国内の100の「スーパーブランド」と、サプライチェーンにおいてより深く提携し、同時に1万の「新鋭ブランド」を支援するものであり、中国発ブランド全体の海外における影響力の拡大を狙う。
AliExpressは中国最大の海外市場向け越境ECプラットフォームであり、現在18カ国語に対応しており、200以上と国と地域で利用可能で、登録ユーザー数は1.5億人以上だ。
AliExpressの主な対象地域はロシア、欧州、南米、中東、日本、韓国などだ。アリババ傘下には、ほかにも東南アジア市場で展開する「Lazada」、トルコの「Trendyol」、南アジアの「Daraz」があり、在外中国人向けに特化した「天猫海外」もある。さらに、これらをインフラの面で支える物流、決済サービスもある。
王氏によると、中国の商品はすでに品質が改善され、その上低価格で種類も豊富である。それでも海外で品質が疑問視されているのは、ブランドの影響力が弱いためである。AliExpressの支援プランはまさにこの課題を解決するためのものであり、海外消費者のニーズが高まっているタイミングを利用し、中国発ブランドの市場をより広げていくつもりだ。
(翻訳・小六)
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