インテリジェント協働ロボット「Han’s Robot」、コア部品は自社開発

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インテリジェントロボットメーカー「Han’s Robot(大族機器人)」がこのほど、シリーズB1で3億9500万元(約68億円)を調達した。リード・インベスターは「優山資本(YOUSHAN CAPITAL)」と「招商資本(CMS Capital)」、コ・インベスターは「中油資産(CNPC Assets)」、「方正証券(Founder Securities)」などで、「漢能投資(HINA Group)」がアドバイザーを務めた。

Han’s Robotは、レーザー加工設備メーカー「Han’s Laser(大族激光)」がインキュベートしたハイテク企業。Han’s Robotは2019年4月にドイツで子会社を設立し、同子会社には「フラウンホーファー研究機構」、「ドイツ人工知能研究センター(DFKI)」などで経験を積んだエンジニアと、中国、ドイツ、米国、英国などの世界トップクラスのロボット・AI分野の専門家が集結している。

同社の製品は主に人のそばで作業支援を行う協働ロボットの「Elfin」シリーズとインテリジェント協働ロボット、複合型ロボットの「MAiRA」シリーズなどがある。

Elfinシリーズはコストパフォーマンスが高く、最大可搬重量は12kgで、組立、ピッキング、溶接、研磨、塗装などの工業分野や医療、小売りなど非工業分野に広く応用できる。すでに欧米、日本、韓国など50以上の国と地域に輸出されている。

Elfinシリーズの協働ロボット

MAiRAシリーズのロボットは同社が打ち出す最新のハイエンド製品で、医療、コンピュータ、通信機器、家電、自動車、航空、宇宙などの分野に広く応用が可能だ。

性能を見ると、MAiRAは7軸ロボットで最大可搬重量は18kg、アームスパンは最長1.6m、繰返し位置決め精度(ある一点に同一動作方向から7回の位置決めを行い、その停止位置を測ることで算出された最大値と最小値の差)は±0.01mm、末端速度は4.5m/s、6軸力覚センサーはわずか0.1Nの力も感知でき、0.01秒ごとにデータを更新する。

また、自社開発した基本ソフト(OS)のNeuron.OSをパートナー企業に開放している。同OSではハードウエアの拡張ができるほか、Han’s Robotのパートナー企業が提携している企業であっても、同社のSDK(ソフトウェア開発キット)を使用した自社のインテリジェントロボット用アプリケーション開発が可能だ。創業者の王光能氏によると、ロボット分野を含むさまざまな業界の世界トップレベルの企業が同社のOSを活用しているという。

安全面では、MAiRAは最高レベルの安全基準であるPL=Eを採用し、すべてのセンサー、通信、制御を冗長化している。非常停止機能のほか、自社開発したHDS(人体感知センサー)は3m以内で人の動きを感知すれば、安全措置を取る仕組みになっている。

インテリジェント化に関しては、MAiRAには6軸力覚センサーのほか、3D視覚センサー、触角・聴覚・温度センサー、加速度計、ジャイロスコープなどの装置がある。また、将来的には自主学習や相互学習機能を備える予定だ。

王氏は「最終目標は、スマホのようにユーザーが需要やコストに合わせてロボットを購入し、使用できるようにすることだ。それには、まずハード面で精度、安全性を究極まで高めたうえで、インテリジェント化の水準を上げることが重要だ」と話す。

特筆すべきは、ロボットの使用するモーター、ドライバ、コントローラ、高精度エンコーダ、各種センサーなどのコア部品はすべてHan’s Robotが自社開発している点だ。製品の性能を最高水準にしても、コストを適切な水準に抑えられる。

Han’s Robotは、今後はAIやセンサー技術の開発に注力する計画だ。

(翻訳・二胡)

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