荒野行動、日本でヒットした理由(上)パズドラ、モンスト脅かす存在に

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中国国内のバトルロイヤルゲームにおけるネットイース(NetEase=網易)の存在感は日増しに薄まっているが、一方で日本では大きなブームが沸き起こっているのはご存じだろうか。

同社は2017年10月、国内第一弾となるバトルロイヤルゲーム「荒野行動(KNIVES OUT)」をリリースした。登録ユーザーは発売当月に1億人を突破。だが中国国内でのこの華々しい成績は半年弱しか続かなかった。2018年2月にはテンセントのゲーム開発部門であるLightspeed & Quantum Studios(騰訊光子)とTimi Studio Group(天美)が同分野に注力し始め、各社の開発競争が始まったからだ。現時点での勝ち組はLightspeed & Quantum Studiosの「絶地求生:刺激戦場(PUBG Battlefield)」やその後発売となった「和平精英(Game for Peace)」となっている。直近四半期における「荒野行動」の国内向け売上高は、「和平精英」に比べ2ケタも落ち込んでいる現状だ。

ところが「荒野行動」は日本上陸から3年半経った今でもその人気ぶりは全く衰えていない。AppStoreでは人気アプリ上位の常連となっており、毎月平均2~3億元(約34~50億円)の売上高を生みだしている。これにネットイースの「第五人格(IdentityV)」「明日之後(ライフアフター)」を加えると、日本のゲームユーザーが100元(約1700円)課金した場合、少なくとも11元(約190円)がネットイースの懐に入っている計算となる。

「荒野行動」のヒットに伴い、日本のSNS上では自称「荒野女子(男子)」も増えているようだ。

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日本が重要マーケットに

近年、日本は中国のゲーム会社にとっての一大市場になりつつある。中国の新興ゲーム開発・運営会社miHoYoが制作した「原神(Genshin)」は日本でのリリース半年で2億7800万ドル(約306億円)を売り上げたが、これは中国市場と比べてもわずか2400万ドル(約26億4000万円)少ない額にすぎない。中国には6億6000万人のゲーマーがいる一方、日本のモバイルゲームのプレーヤーは約3400万人であるにもかかわらずだ。

日本は世界で最もゲーム文化が普及し、かつゲーム産業が最も成熟した国の一つとなっている。モバイルゲームの普及率も73%と高い。そもそもゲームへの課金に抵抗がなく、容易に数千万元(数億円)の売上高をもたらす日本は、中国のゲーム会社にとって垂涎の的となっている。中国国内ではゲーム業界がレッドオーシャンとなっており、他社と必死に競い合ったとしても得られるパイは微々たるものというケースもある。中国のゲームがこぞって日本に進出するなか、テンセントが開発中のRPG「白夜極光(Alchemy Stars)」に至っては日本で先行してクローズドβテストが実施されている。

だが一方で、日本のモバイルゲーム市場は高度に固定化している。これには主に上位作品の固定化、ゲームジャンルの固定化という2つの側面がある。

日本のミクシィが2013年にリリースした「モンスターストライク」はプレイが非常に容易なゲームだが、近年も継続的に人気ゲームランキングのトップ3入りを果たしており、モバイルゲームでは日本での売上高1位となっている。これに「パズル&ドラゴンズ」およびアニメを原作としたカードゲーム系の「フェイト・グランドオーダー」を加えた3大巨頭が、今でも強力に市場を牛耳っている状態だ。

海外製品が入り込みにくく、かといって自国のゲームも海外進出しにくい日本のモバイルゲーム市場は明らかに「ガラパゴス化」している。2015年当時、日本はすでに世界でも最大のモバイルゲーム市場となっていたが、海外への影響力は非常に低かった。「フェイト・グランドオーダー」を除けば、中国国内でめぼしい成績を収めたゲームは他にない。

だがここ数年、日本のモバイルゲーム市場はじわじわと活性化しつつある。ヒットから約3年半経った「荒野行動」は、今では日本で「王者栄耀(Honor of Kings)」のような安定感をみせつけている。「原神」の勢いはさらにすさまじく、一度は「パズル&ドラゴンズ」をランキング1位の座から引きずり下ろしてもいる。

つまり日本のモバイルゲーム市場では「常連メンバー」が今でも主導権を握っているとはいえ、「新入り」の台頭ももはや無視できないレベルにまで来ているということになる。

画像:2021年第1四半期の日本のモバイルゲーム売上高ランキング sensor towerより

「荒野行動」はプレーヤーのうちすでに半数近くが30歳以下となっている。若者がモバイルゲームをプレイし始めたことで、日本のゲーム市場に新たな可能性が生まれている。

後編:日本市場に賭けたネットイース

(翻訳・神部明果)

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