中国最大の音楽配信テンセント・ミュージックが米IPO申請。Spotifyを追い上げ

騰訊(テンセント)傘下の騰訊音楽娯楽集団(TME、テンセント・ミュージック・エンターテイメント)が10月2日、米証券取引委員会(SEC)に株式公開(IPO)申請書を提出した。上場時期や上場先、調達額は未定。中国最大手の音楽ストリーミングサービスとして、時価総額322億ドル(約3兆7000億円)のSpotify(スポティファイ)を追い上げる。

IPO目論見書によると、幹事証券会社はバンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ、ドイツ銀行、ゴールドマン・サックス・グループ、JPモルガンチェース、モルガン・スタンレー。

月間ユーザー8億人を抱える中国最大の音楽配信サービス

テンセント・ミュージックは中国最大手の音楽ストリーミングプラットフォームで、3大音楽アプリのQQ音楽・酷狗音楽(Kugou)・酷我音楽(Kuwo)のほか、カラオケアプリ全民K歌(We Sing)を運営している。2018年第2四半期までに月間アクティブユーザー(MAU)は8億人を超え、ユーザーの1日当たり平均利用時間は70分、200社以上と版権関係で提携している。主力事業は音楽配信とソーシャル・エンターテイメント・プラットフォームの2事業。2016年の売上高は43億6100万元(約725億円)で、主要2事業の売上高は拮抗していたが、2018年上半期の売上高86億1900万元のうち7割はソーシャル事業が占めている。

テンセント・ミュージックのIPO目論見書(キャプチャ画像)

MAUでは音楽配信事業が大きく上回るが、ソーシャル事業は有料会員を多く獲得している。2018年第2四半期のデータでは、音楽配信事業はMAU 6億4400万人に対し有料会員が2330万人で、1人当たり利用料の月額平均は8.7元。ソーシャル事業はMAU2億2800万人に対し有料会員が950万人で、1人当たり利用料の月額平均は111.8元だった。

最大のライバル、Spotifyとの関係

スウェーデンの音楽配信サービスで今年4月にニューヨーク上場を果たしたSpotifyと比較すると、テンセント・ミュージックのMAUは8億人に対して有料会員が3280万人、SpotifyのMAUは1億7000万人に対して有料会員が7500万人だ。単純な会員数ではテンセント・ミュージックが圧倒的に多いが、有料会員数でみると真逆の数字が出た。

それでも、テンセント・ミュージックが先に黒字化を果たしている。今年第1四半期のSpotifyの決算では、売上高が前年同期比26%増の11億3900万ユーロ、最終損益は1億6900万ユーロの赤字となった。

2017年12月、両者は株式交換を実施。Spotifyは9億1000万ユーロを投じてテンセント・ミュージックの株式9%を取得。同時に、テンセント・ミュージックも親会社テンセントと共同でSpotifyの株式7.5%を取得した。

テンセント・ミュージックは海外サービスの流入を許さない中国市場で圧倒的なシェアを誇り、スポティファイは世界60カ国にサービスを提供している。英紙フィナンシャル・タイムズのアナリストは、この株式交換を、両者の抱える市場を交換する契機だと見ている。
(翻訳・愛玉)

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