ロボタクシーのAutoX 第5世代完全無人運転システムを発表 

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自動運転技術開発のスタートアップ「AutoX」は、ロボタクシー運営開始から半年近くが経った今月6日、第5世代完全無人運転システム「AutoX Gen5」を発表した。

AutoXの創業者、肖健雄氏によると、第5世代システムの開発には2年半を費やしたという。完全無人運転車のロボタクシーが必要とする中国の安全基準を満たすため、車載用ハードウエアからE/E(電子電気)アーキテクチャー、センサー、中核となるコンピューティングプラットフォームまで全てアップグレードしており、すでに量産に入っているという。

2017年に第1世代無人運転システム「AutoX Gen1」を発表してから、AutoXは年1回ペースで次世代システムを発表してきた。2020年からは公道での完全無人運転テストを開始し、今年1月には一般公開している。

現時点では深圳市坪山区、上海市嘉定区の2エリアで、アリババ傘下の地図アプリ「高徳地図(Autonavi)」からAutoXのロボタクシーを呼べる。筆者が実際に試乗してみたところ、試乗ルートは都市部にあり、道路状況は複雑で、車の通行量や信号機も多い。車内のディスプレイには走行中の車線、車道、周囲の車両や歩行者などがリアルタイムで表示される。

AutoXの自動運転車両は突然の渋滞や追い越しなど突発的な状況が発生した際にも対応が可能で、運転技術も比較的成熟している。

ただ、今回試乗したのは最新の第5世代システムを搭載した車両ではない。実際に運転する立場から見ると、AutoXの運転は慎重で臆病ともいえるくらいだ。試乗体験中に別の車から追い越される際には急ブレーキがかけられた。しかも走行速度は遅く、人間の運転習慣にそぐわない。車両を追い越すチャンスがある時も先行車について走ることを選択した。

これに対し肖CEOは「都市部の走行では、やはり安全が第一だからだ」と話した。都市部では突発的な状況が多い。AutoXの車両は道路状況を360度見渡せるほか、ドライバーの死角も見えるため、安全確保のために速度調節を行うという。

「安全」も今回の発表会で頻繁に使われたワードだ。安全を確保するために第5世代システムは800万画素の車載カメラ28台を始め、4Dミリ波レーダー、高精細LiDARなど合計50もの高解像度センサーを搭載している。また、AutoXは第5世代システムの中核となるコンピューティングプラットフォーム「AutoX XCU」をリリース。2200TOPS(1秒当たり2200兆回の演算が可能)という処理能力を持つ。

比較してみると、バイドゥの自動運転オープンプラットフォーム「Apollo」とハイエンドEVブランド「ARCFOX(極狐)」が共同で発表した無人運転車「Apollo Moon」は、カメラ13台、ミリ波レーダー5基とLiDAR2基を搭載。コンピューティングプラットフォームの処理能力は800TOPSだ。

写真:AutoX

AutoXの第5世代システムはハードウエア、ソフトウエア共にコスト度外視のようだ。肖CEOは自動運転「レベル2」「レベル3」の領域ではスペックの「引き算」によってコストを削減する行為が存在すると明かした。しかし、ロボタクシーでは安全を確保するためにそうした「手抜き」は一切許されないと話した。

技術面から見ると、完全な無人運転の実現はもう目と鼻の先というところまできているが、その商業化はなお法律面で規制を受けている。責任をどう明確化するか、商業化をどう実現するのかなどの難題はまだ解決されていない。AutoXの事業が収益化するまではまだ時間がかかりそうだ。
(翻訳・山口幸子)

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