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中国の新興生活雑貨チェーン「NOME」は今年5月、シリーズA+ラウンドで1億8000万元(約29億円)を調達した。リードインベスターはセコイア・キャピタルで、今日資本(Capital Today)も共同出資していると、創業者の陳浩氏が36Krの取材で明らかにした。同ラウンドに先立ち、2017年11月の時点で今日資本から2億3000万元の出資を受けていた同社だが、当時は設立半年で、店舗も全国に1軒しかないマイナーな存在だった。
NOMEは2017年5月、陳浩氏が広州で創業。スウェーデンの著名デザイナーFredrik Moberg氏らがデザインを担当しており、取扱商品は日用品以外にもアパレル、デジタル製品、コスメ、家具など幅広い。現在は3000種類以上の商品を揃えている。日本でも注目を浴びた中国の雑貨チェーン・名創優品(メイソウ、MINISO)が日本風であるのに対して、NOMEは北欧風を前面に押し出している。中国の消費者からは「NOMEの価格は名創水準、品質は無印レベル」などと好評を得ている。
中国本土には広州、深圳、北京、上海、四川など250店舗以上あり、香港にも3店舗構えている(公式サイトのデータより)。わずか1年半の間に急拡大しており、今年4月に陳浩氏が宣言した「年内300店舗」という目標を達成できそうな勢いだ。
シリーズA+ラウンドの調達が完了した際、陳浩氏は今後についてユーザー体験や、サプライチェーンを発展させていくと述べており、具体的には以下の3点を強化する意向を見せた。
1.商品の評価体制の確立
多くの新商品を導入していくため、裁量権がある専門部署を設立。20人のスタッフが体験モニターの意見などを素早く分析、商品導入の可否を迅速に判断する。
2.待ち時間の解消
顧客の動線を分析し、店内レイアウトを変更するなどして行列を解消する。また、陳浩氏は会計にかかる時間を平均90秒以内にしたいと述べており、効率化を図るため、スタッフの教育などにも力を入れている。
3.O2Oの強化
商品のQRコードを読み込んで商品の詳細情報を得られるようにすることで、顧客に実店舗で商品を手にとってもらい、ネットでオーダーをもらうようにする。このようにして、関心、体験、購入のサイクルを合理化していく。
また、NOMEは海外市場開拓にも意欲的で、まずはシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンなどアジア地域への展開を予定している。2020年までに国内2000店舗、海外1000店舗の出店を目指す。
本ラウンドで出資を主導したセコイア・キャピタルの関係者は、「生活雑貨分野は消費拡大のチャンスを迎えており、中国に売上高数千億元のトップブランドが誕生するに違いない」と語る。NOMEの潜在力が認められているようだ。
(翻訳・飯塚竜二)
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