DJIに挑む中国「Autel Robotics」が超軽量ドローンを発表 わずか249g

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DJIに挑む中国「Autel Robotics」が超軽量ドローンを発表 わずか249g

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注目すべき中国のドローン(小型無人機)メーカーは、世界最大手の「DJI(大疆創新科技)」だけではない。

一般消費者向けドローンを得意とする「Autel Robotics(深圳市道通智能航空技術)」は9月28日、軽量ドローン「EVO Nano」シリーズとフラッグシップ機「EVO Lite」シリーズを発表した。

EVO Nanoシリーズは249グラムと軽量。4800万画素の静止画と4K動画を撮影できるスタンダードモデルの「EVO Nano」と、5000万画素の静止画に対応する上位モデルの「EVO Nano+」の2種類が用意されている。最大飛行時間は28分間。

EVO Liteシリーズのスタンダードモデル「EVO Lite」は、1/1.28インチCMOSセンサーを搭載。上位モデルの「EVO Lite+」は1インチCMOSセンサーを搭載し、2000万画素の静止画とフレームレート30fpsの6K動画を撮影できる。また、縦向き動画の撮影にも対応している上、RYYBカラーフィルター配列を採用し、光の吸収を従来のRGGB配列より40%向上させている。

EVO NanoシリーズとEVO Liteシリーズは、それぞれDJIの「Mini」シリーズと「Air」シリーズをベンチマーキングの対象としている。ただし価格はDJIの製品より高めだ。EVO Nanoの3999元(約6万8000円)に対して「DJI Mini 2」は2899元(約4万9000円)。EVO Lite+の7999元(約13万6000円)に対して「DJI Air 2S」は6499元(約11万円)となっている。

Autel Roboticsは2014年に設立され、翌15年に最初の製品「X-STAR」を発表したが、昨年まではほぼ無名だった。同社は昨年、4月に一般向けの折り畳み式ドローン「EVO II」を発表したのに続き、産業用ドローンとして「Dragon Fish」シリーズと折り畳み式の「EVO II RTK」シリーズを発表し、知名度を一気に高めた。ちなみに、前者はDJIの「Mavic 2 Enterprise Advance」を、後者は「Mavic 2 Enterprise」をベンチマーキングの対象としている。そして今回、EVO NanoシリーズとEVO Liteシリーズを発表したことで、産業用ドローンと携帯性に優れた一般消費者向けドローンのラインナップが出揃った。

Autel Roboticsの創業者で董事長の李紅京氏は2004年、自動車の各種機能を診断するシステムや自動車部品の開発と販売を手掛ける「深圳市道通科技(Autel Intelligent Technology)」(以下、Autel )を設立した。同社は昨年、上海証券取引所のハイテク企業向け市場「科創板(スターマーケット)」に上場している。現在の時価総額は約330億元(約5600億円)。製品は主に海外向けに販売されており、海外での売上高が全体の8割を占めている。

Autel Roboticsは2014年当時、Autelの子会社として設立され、ハイエンド市場向けの製品を手掛けていた。しかしAutelは2017年、ドローン事業すなわちAutel Roboticsを李氏が法定代表者を務める「深圳通元合創投資」へ移管している。ドローンの開発に多額の資金が必要になる一方で、事業の先行きに不確実性が存在することなどが主な理由だった。Autel Roboticsの昨年の売上高は数億元(数十億円)にとどまっている。

ドローンの開発には巨額の費用が必要だ。李氏によると、Autel Roboticsはフライトコントロールや画像伝送、イメージング、障害物回避、トラッキングなどドローンに関する技術の開発に、過去7年間で計10億元(約170億円)を投じたという。これだけの開発費を回収するには、より多くの製品を世に送り出さなければならない。今回発表したEVO NanoシリーズとEVO Liteシリーズは、ミドルレンジ市場からローエンド市場を対象とした製品で、性能面ではDJIの製品と互角。Autel Roboticsは薄利多売に向け、極めて重要な一歩を踏み出した。

(翻訳・田村広子)

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