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中国では、双11(11月11日独身の日セール)に関してさまざまに分析されている。世界商業史の奇跡という大げさな見出しを掲げたメディアもある。議論百出の活況だ。中でも注目されているのがユニクロである。
好調な日系企業
消費関連のビッグデータ企業「星図数据」によると、双11での全通販サイトの売上合計は3143億元(5兆900億円)、前年比23.8%増だった。そのうちアリババは2135億元、26.9%増で、全体の68%を占める。
アリババの部門別の売上トップ3と、トップ10入り日系企業を見ていこう。
スマホ
1位 アップル 2位 ファーウエイ 3位 シャオミ
大型家電
1位 ハイアール 2位 美的 3位 シャオミ
小型家電
1位 美的 2位 ダイソン 3位 科沃斯
*9位 パナソニック
婦人衣料
1位 ユニクロ 2位 ONLY 3位 VERO MODA
紳士衣料
1位 ユニクロ 2位 GXG 3位 太平鳥
自動車
1位 上海大衆(フォルクスワーゲン)2位 ビュイック 3位 広汽本田
*9位 広汽豊田
スポーツ用品
1位 ナイキ 2位 アディダス 3位 安踏
化粧品
1位 LANCOME 2位 OLAY 3位 L’OREAL
ベビー用品
1位 巴垃巴垃 2位 全棉時代 3位 パンパース(P&G)
*9位 MOONY(ユニ・チャーム)
輸入ブランド
1位 SWISSE 2 位 MOONY 3位 花王
今年の双11には18万を超える会社またはブランドが参加した。そのうち10億元以上を売上げたのは、アップル、シャオミ、ファーウエイ、美的、ハイアール、ナイキ、アディダス、ユニクロの8社だけだった。
また1億元以上の「億元クラブ」は237社。日系は、パナソニック、ソニー、シャープ、本田、日産、資生堂、花王、MOONY、TOTOが入っている。
ユニクロを徹底分析する中国メディア
ユニクロは、昨年は紳士衣料部門で「海瀾之家」にトップを譲り2位だったが、今年は婦人衣料と紳士衣料で2冠を達成した。
今年の双11、ユニクロの売上は開始わずか35秒で1億元を突破した。2017年は1分、2016年は2分53秒だった。どこまで短縮するのだろうか。なぜこれほどの支持が集まるのだろうか。中国の各メディアが競ってユニクロを分析している。そのうちの一つ(CCTV1大国品牌养成记)を取り上げてみよう。
1 イノベーションによる品質保証
ZARAやH&Mなどとは違い、ユニクロは単品毎の科学技術イノベーションを重視している。ヒートテックはその典型だ。こうした基本姿勢が、品質保証につながり支持を増やしている。
2 積極的に先端技術を採用
消費者サービスの提供や、独自商品の開発精度を向上するため、ビッグデータやデジタル情報技術の採用を戦略的に進めている。
3 新零售(新小売業)のイノベーション
新零售とはアリババのジャック・マー会長が提出した「将来オンラインとオフライン実体店の境界は消滅する」という概念だ。O2O小売融合とも呼ばれる。
ユニクロが2017年に行った消費者調査では、ユーザーの新零售への期待は高かった。オンラインで購入しても実体店でサービスを受けたいとのことだった。
すでにこの3年間、ユニクロの新零售は大きく進化している。
2016年の双11では、オンラインで発注し、実店舗で受け取ることを実現。
2017年の双11では、オンラインより1日早く実店舗でセール価格販売を実施。
2018年の双11では、会員向けサービスを強化。即時購入か時間指定受取りか、選択可能に。人、商品、場、の完全融合を目指す。
こうした取り組みは、高く評価されている。
日本に先行する中国市場の取組み
前述の2と3は、日本市場に先行した取組みだ。ユニクロ中国は、デジタル化へ向けた実験を頻繁に行っている。2017年には北京、上海の100店舗を選び「智能買手」運動を行った。AIで消費者を啓発し、消費者との情報ルートを開発する。情報発信だけでなく、受信もしようというのである。
また2018年4月からは、AR(拡張現実)にも力を入れている。着用したシーンをイメージしてもらうため、ARデジタル体験館、スマホ用アプリに取組んでいる。
日本市場では新零售は進んでいない。従来型の販促活動を繰り返している。日本のユニクロ通販でも店舗受取りは可能だが、店舗の都合により受取りを中止する場合があります、と注記されている。中国市場のような熱気は感じない。
ユニクロにとってよりチャレンジングな市場は中国なのである。そこで得たノウハウを日本市場に移植する時代になった。日本の小売業者が向き合うべき、新しい現実である。
参照
https://baijiahao.baidu.com/s?id=1617296015533427570&wfr=spider&for=pc
https://www.ithome.com/0/394/512.htm
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