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ショート動画を巡る各社の攻防が続く中、テンセントが攻勢に出た。先日テンセントがショート動画配信アプリ「哈皮(Hapi)」をリリース、今日頭条(Toutiao)系列の「皮皮蝦(Pipixia)」と同様に、エンタメコンテンツを提供する。アプリのUIは非常にシンプルだ。
哈皮のリリース以前にも、テンセントはオリジナル動画配信「yoo視頻」や音楽動画配信「音兎(Intoo)」を相次いで投入しており、ショート動画関連アプリは合計で10種類以上にもなっている。テンセントがアプリを続々とリリースしている理由は以下のように考えられる。
まずはライバル今日頭条の存在だ。同社の「TikTok」が爆発的にヒットし、アプリ使用時間でトップを走ってきたテンセントに脅威を与えるほどになったため、テンセントは対抗する必要があった。次にユーザーのショート動画アプリ使用時間が大幅に増加しており、ビジネス的に大きな可能性が出てきたことが挙げられる。さらにテンセントが展開するエンターテインメント戦略の一環として、ゲームや漫画などと連動可能なショート動画が重要な発信チャネルとなること。
とはいえ、テンセントはいまだTikTokに匹敵するアプリを出せていない。ショート動画配信アプリのトップランキングに未だにランクインしていない現状では、TikTokに勝負を挑むのは難しいだろう。
哈皮がショート動画界にどれほどの旋風を起こせるかは未知数だ。今日頭条の皮皮蝦と同じジャンルなのに差別化されていない。また、両者のコンテンツが永久閉鎖となったエンタメ動画アプリ「内涵段子」に近いことから、政府によるコンテンツ監視などが今後のリスクになり得る。
テンセントはユーザー10億人のWeChatと5億人のQQを武器にショッピングプラットフォーム「拼多多(Pinduoduo)」をヒットさせてきたものの、ショート動画分野におけるSNSの効果はそれほど大きくない。
巨大なショート動画市場で後発者が勝ち抜くには、如何にコンテンツのボトルネックを解決し、多様化するユーザーニーズに応えるかが鍵となるだろう。
(翻訳・畠中裕子)
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