シャオミ、法人向け事業を強化 スマホ販促という副産物も

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シャオミ、法人向け事業を強化 スマホ販促という副産物も

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中国のスマートフォン・IoT機器大手シャオミ(Xiaomi)が12日、企業向けサービスに関するイベント「Xiaomi Enterprise Services Summit」を開催し、同社法人向け事業のバイスプレジデント白鵬氏が、同事業の今年の目標売上高を20億元(約360億円)と発表した。同社のスマートフォン事業やインターネットサービス事業と比べればかなり小さな目標だが、同事業部は今年1月に発足し、5月に正式に稼働をはじめたばかりだ。

売上高以外にもさらに大きな目標も提示された。法人向け事業が3年以内に売上高100億元(約1800億円)を達成すること、1〜2年以内にアクティベーションされた特注端末を年100万台とすること、特注端末市場のシェアを30%にまで伸ばすことの3点だ。

白鵬氏の説明では、シャオミの法人向け事業はおおまかに二分される。

一つ目は業種ごとに最適化されたスマートフォンやテレビ、スマートスピーカー、タブレットなどの特注端末だ。一例として、漁船上の漁師たちはこれまで通信手段として衛星電話を使ってきたが、1隻に持ち込める衛星電話は2〜3台だった。船上での単調な生活を改善するため、シャオミは漁船に衛星アンテナを設置し、特別なOSを搭載した携帯電話を提供。利用通信量を拡大して、漁師たちに好きなだけ携帯電話を利用できるようにした。こうした事例以外にも、商業・貿易業界や外食業界向けのテレビや、「城管(都市管理および法執行機関)」向けの携帯電話などを手がけている。

二つ目はスマート化シナリオ向けのフルセットのソリューションだ。主に不動産、ホテル、マンション、高齢者介護施設をターゲットとしている。中国最大手の高齢者施設「泰康之家(Taikang Community)」と提携し、高齢者向け住居に同社のAIアシスタント「小愛同学(Xiao Ai)」を設置して服薬時間や団体活動の開始時間を知らせたり、家族とビデオ通話ができるテレビなどを設置したりしていく。

シャオミが法人向け事業を開拓すべきタイミングが来たのは明らかだ。IoT機器事業の伸びが鈍化し、消費者向け製品で大ヒットを出すのも難しくなっている現在、いずれの商品カテゴリーでも以前のような爆発的な出荷数の伸びは不可能になってきている。

シャオミグループ総裁の王翔氏によると、法人向け事業を手がける同業他社と比較して、シャオミの優位性は豊富なハードウェア製品とインターネットサービスのノウハウを有している点だ。

シャオミはこれまでに数多くのIoT機器をリリースしている。シャオミ本体と同社のエコシステムに属する企業から、テレビなどのAV機器、ウェアラブル機器、スポーツやモビリティ系機器など3000SKU(在庫管理の最小単位)以上の製品を発売しており、これらを合わせればすべてのシーンをカバーするのも難しくはない。さらにAIアシスタントの小愛同学を通じた音声操作は、全IoT製品の仲介役になる。今年第2四半期(4〜6月)の財務諸表によると、小愛同学のアクティブユーザーはすでに1億人を突破している。

また、スマートホームではスマートフォンというメインエントランスのほかに、シーンごとにサブエントランスを設けてきた。シャオミのIoT事業では、ネットワークの入り口としてのルーター、家庭向けエンターテイメントの入り口としてのテレビ、音声関連の入り口としてのAIスピーカーを展開している。

製品、導線、インターフェースが揃ったシャオミにとっては、法人向け事業の開拓は難しくない。ただし、成長性ある市場を見出してベンチマークを定めるとともに、消費者向け市場に遠く及ばない数の製品しか売れないうえ、製品のカスタマイズにはより高いコストを費やさなければならないという法人向け市場の問題点にも挑んでいかなければならない。つまり、カスタマイズ開発と汎用性とのバランスをとる必要があるということだ。

超大手インターネット企業が法人向け事業に軸足を移すことは珍しいことではなくなった。また、IoT事業では各社がそれぞれの強みを活かしている。シャオミの長所は製品展開が幅広いことだが、チップなどのコア部品には弱い。シャオミもこの点を意識してか、基盤部分の補強を急いでいる。高速通信が可能なUWB(超広帯域無線通信)技術「一指連」や、オープンソースリアルタイムOSをベースとしたIoTソフトウェアプラットフォーム「Xiaomi Vela」をリリースしている。

これまでのシャオミのIoT製品は単品展開で進められており、それぞれの点をつなげて面にする術がなかった。しかしホテルやマンション、不動産などの企業に導入されれば、ある程度は全体像のプレゼンテーションが可能で、消費者がさらに関連製品を購入するきっかけにもなり得る。

シャオミが昨年発表したデータでは、同社のIoTプラットフォームに接続しているIoT機器はすでに2億7100万台を超え、5台以上のIoT機器を所有するユーザーも約510万人に上っている。ただし、1台あるいは少数の機器を所有するユーザーが依然として多数派だ。

ユーザーにより多くのIoT機器の購入を促す意義については、同社の財務諸表にも記されている。現在、スマートフォンはiPhoneを使っているが関連のIoTデバイスはシャオミ製を使っているユーザーが非常に多く、同社のIoT製品はiPhoneユーザーにシャオミへの乗り換えを促すのに一定の効果があるからだ。

こうした角度からみると、シャオミの法人向け事業は単純に新規事業を成長させる以上の難しさがあるといえる。
(翻訳・愛玉)

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