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整形外科手術支援ロボットを開発する「鑫君特智能医療器械(Futurtec Medical)」がシリーズBで数億元(数十億円)を調達した。出資を主導したのはソフトバンク・ビジョン・ファンド2と華泰紫金投資(Huatai Zijin Capital)、創新工場(Sinovation Ventures)で、浩悦資本(Haoyue Capital)が単独で財務アドバイザーを担当した。
鑫君特は2015年に設立され、中国で最もスマート化の進んだ整形外科手術支援ロボット開発のイノベーションプラットフォームを手がけている。
同社の中核製品は自主開発した脊椎手術支援ロボット「ORTHBOT」で、今年初めには国家薬品監督管理局(NMPA)の登録証を取得した。単なるナビゲーション用ロボットとは異なり、ナビゲーション機能に加えて実際に手術を行う。同社は続いて骨切り(こつきり)や関節置換などの手術支援ロボットの開発も進めている。
グローバル展開に向けて特許出願も進めており、これまでに55件を出願。米国の1件を含む22件が特許権を取得済みだ。特許協力条約(PCT)に基づく国際特許も15件出願している。
中国では高齢化が進み、国民の生活水準が上がるにつれ、心臓や脳の血管疾患や慢性疾患などの治療や管理に対する需要が増え、テクノロジーを活用しながら社会をあげて医療の効率化を図る必要性が出てきた。中でも整形外科手術支援ロボットは近年、世界中の整形外科分野で話題となっており、メドトロニック、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ストライカー、ジンマーバイオメットなど海外の大手医療機器メーカーも巨額の予算を投じて開発を進めている。
中国では整形外科手術の件数が急増している。今年までに関節置換手術の執刀件数は年100万件、脊椎手術は年80万件となり、今後も2桁ペースで増えていくとみられる。政府主導の集中購買政策が急速に広まったことで、中国の整形外科分野では業界再編が加速しているが、集中購買の対象品目から外れている手術支援ロボットはその影響を受けずに大きく成長している。数年をかけて市場での認知度を高め、今年10月には北京市の医療保険の対象になり、続いて全国各省に広がっている。整形外科手術支援ロボットによる手術件数は2026年には50万件、累計設置台数は2000台を超えると予想されている。
100億元(約1800億円)規模を超える整形外科手術支援ロボット市場は次のブルーオーシャンとなるだろう。中国には鑫君特のほか、「天智航(TINAVI)」、「微創医療機器人(MedBot)」、「鍵嘉機器人(JOINTECH)」などの国産製品が存在する。
(翻訳・愛玉)
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