LAモーターショーで話題の中国新興EVメーカー「バイトン」、来年に量産開始

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電気自動車(EV)の新興メーカー「バイトン(拝騰)」のコンセプトカーが、ヨーロッパ4カ国と中国4都市でお披露目されたのに続き、ロサンゼルスモーターショー2018に出展された。同社のコンセプトカー「K-バイト コンセプト」と「M-バイト コンセプト」はひときわ目を引く存在となった。

K-バイト コンセプトのハイライトは、レーザーレーダー(LiDAR)を搭載した自動運転だ。車体ルーフに取り付けられたセンサーで周囲の状況を認識する。ボディー両側のセンサーは状況に応じて自動収納できる。

一方、バイトン初のSUVコンセプトカーとなるM-バイト コンセプトはHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)を全面に打ち出している。幅125cm、高さ25cmの巨大モニターは、曲面形状の車載ディスプレイとしては世界最大で、顔認識や音声認識、スマートフォン、ジェスチャーコントロール、タッチ操作などに対応している。

今年、バイトンは業績面でも注目を集めた。2018年6月に、シリーズBで5億ドル(約560億円)を調達。出資者は「中国第一汽車集団(FAW)」や「啓迪控股(TUSHOLDINGS)」、世界最大の車載電池メーカー「寧徳時代新能源科技(CATL)」などだ。また自動車向けIoT技術開発に関して、バイドゥ(百度)と戦略的提携を結んだ。

今年の第4四半期、バイトンは上海で直営店第1号をオープンした。来年末までに中国全土で25-30カ所の直営店を開設する計画だ。並行して販売業者とパートナー提携を行うほか、ヨーロッパ・北米の市場開拓も視野に入れている。

自動運転技術の開発と量産体制の準備も着々と進んでいる。2018年4月には南京工場で試験的な生産ラインが運用された。工場の第1期工事はすでに竣工しており、設備の組み立てと試運転が始まった。バイトンによれば、2019年の上半期に製造準備段階に入り、2019年の第4四半期には量産を開始する見込みだという。また自動運転技術を開発する米オーロラと組んで、2020年末にはレベル4の完全自動運転のプロトタイプ車を打ち出すとのこと。

バイトンを含め、新興自動車メーカーは、生き残りをかけた重要な時期に入っている。「吉利汽車(Geely)」の「帝豪GSe」や「ジャガーI-PACE」など、量産型の電気自動車の価格と品質は十分魅力的だ。、さらに「テスラ」が中国で工場建設が業界に緊張感を広げている。この状況で、ブランド力を確立して、市場の期待に応えないと、生き残れる可能性は極めて低くなる。

「自動車の電気化、スマート化、自動運転技術などの技術革新により、百年の歴史がある自動車産業は大きな変革の時を迎えている。当社は全く新しいUIや先端技術、未来志向のデザインで、この新時代をリードするパイオニアになる」と、バイトンのCEOで共同創業者のカーステン・ブライトフェルド氏は語った。
(翻訳・畠中裕子)

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