中国BYD、2040年までにガソリン車の生産を終了 「ゼロエミッション」に合意

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中国新エネルギー車(NEV)最大手の「BYD(比亜迪)」は、11月13日に閉幕した国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)で、「ゼロエミッション中大型車に関する了解覚書」に署名した。この覚書は、中大型トラックの販売台数に占める温室効果ガス排出ゼロ(ゼロエミッション)車の割合を2030年までに30%、2040年までに100%にすることを目指すものだ。覚書への署名は、BYDが2040年までにガソリン車の生産を停止することを意味している。

BYDはCOP26の期間中、政府や企業、環境保護機関などと共に、世界的な電動化プロセスと関連インフラの建設を促進するための3つの協定に署名した。BYDは「ゼロエミッション中大型車に関する了解覚書」のほか、中国の自動車メーカーを代表して「ゼロエミッション車に関するグラスゴー宣言」にも署名した。同宣言は、主要市場では2035年までに、全世界で40年までにガソリン車やディーゼル車の販売終了を目指すもので、24カ国が合意している。

BYDは会期中、自社のEVバスを会議参加者の送迎用に提供した。関連資料によると、このEVバスはBYDと提携する英国バス製造大手のアレクサンダー・デニス・リミテッド(ADL)がスコットランドのフォルカーク(Falkirk)工場で生産したもので、コア技術はBYDが提供した。
BYDは、かなり早い時期に「カーボンニュートラル」の取り組みをスタートさせている。2008年には環境に優しい世界を構築するという「グリーンドリーム」を提唱し、太陽光発電システムやエネルギー貯蔵発電所、EVなどを開発してきた。同社はグリーンドリーム提唱から数年の間に、「都市交通の電動化」に関する戦略およびソリューションを打ち出し、7つの分野(自家用車、タクシー、 一般路線バス、長距離バス、清掃車、宅配車、都市部の建築物流関連車両)と4つの特殊分野(倉庫、鉱山、港湾、空港)を新エネルギー車でカバーすることを目指す「7+4」戦略やカーボンニュートラル計画に関する研究などのプロジェクトを相次いで始動させている。

BYD本社や製造工場などを擁する「坪山工業パーク」の環境に優しいスマート交通システム

自動車業界からは、BYD以外にも多数のメーカーが新エネルギー車の開発目標や戦略を打ち出している。「長城汽車(Great Wall Motor)」は、2025年までに世界での年間販売台数を400万台とする目標を掲げており、うち8割を新エネルギー車とする計画。「吉利汽車(Geely Automobile)」は、2025年までに全販売台数の3割にあたる90万台を新エネルギー車とする方針を明らかにしている。独フォルクワーゲン(VW)も、遅くとも2030年までには全車種にEVモデルを設定し、ガソリン車やディーゼル車の販売をなくすと表明した。

世界の乗用車販売台数に占めるゼロエミッションモデルの割合は、2020年の4%から2040年には70%にまで拡大するという。省エネルギーと排出ガス削減という大きな課題を前に、多くの自動車メーカーが積極的に電動化の流れに乗ろうとしているが、バッテリー駆動時間や充電スタンドなど技術面には依然として限界がある。技術的なボトルネックの解消が、新エネルギー車を開発する全ての自動車メーカーにとって大きな課題となっている。

(翻訳:浅田雅美)

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