AppleのARヘッドセット、来年中にリリースの予想。iPhoneに代わるモバイルデバイスに

36Kr Japan | 最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア

日本最大級の中国テック・スタートアップ専門メディア。日本経済新聞社とパートナーシップ提携。デジタル化で先行する中国の「今」から日本の未来を読み取ろう。

大企業注目記事

AppleのARヘッドセット、来年中にリリースの予想。iPhoneに代わるモバイルデバイスに

続きを読む

Apple情報に詳しい「天風国際証券(TF International Securities)」のアナリスト、郭明祺(ミンチー・クオ)氏は先月末に発表したリポートで、Appleが来年第4四半期にもAR(拡張現実)ヘッドセットをリリースするとの予測を明らかにした。このARヘッドセットには、Macに搭載される「M1チップ」と同等の性能を持つチップとソニーの4Kマイクロ有機ELディスプレイが搭載される見込み。クオ氏によると、Appleは今後10年以内にこのARヘッドセットをiPhoneと置き換えることを視野に入れており、10億台以上が出荷される可能性があるという。

クオ氏によると、このARヘッドセットはMacやiPhoneと接続せずに独立して動作できる上、各種アプリにも対応できるようエコシステムも整備される。台湾の「欣興電子(Unimicron Technology)」は、層間絶縁材料として「味の素ビルドアップフィルム(ABF)」を用いた半導体パッケージ基板を提供するとみられる。このARヘッドセットは少なくとも6〜8個の光学モジュールを必要とし、iPhoneよりも高い演算能力が求められるため、Macと同等のプロセッサが搭載されるという。

AppleがARヘッドセットを発売するとの噂は、業界内では早くからささやかれていた。ここへきて具体的な情報が出始めたことで、AppleのAR分野に対する姿勢が鮮明になった。このところ大きな関心を集めている「メタバース」との関係も連想される。

AR技術は、仮想世界の情報と現実世界とをつなぎ、現実世界を拡張する。VR(仮想現実)技術とは違い、娯楽だけでなく医療や教育、工業などの現場にも広く活用できる。

Appleはここ10年、創業者スティーブ・ジョブズ氏の遺志を継ぎ、製品の性能向上に取り組んできた。しかし、現行のiPhoneやMacBookはメタバースの概念を実践に移すには不十分だ。Appleがメタバースを追い風とするために、全く新しい革命的なモバイルデバイスをリリースするのは当然の流れだ。

クオ氏はリポートの中で、Appleが10年以内にこのARヘッドセットをiPhoneと置き換えようとしていると指摘した。ティム・クックCEOがメタバースの概念を実現する方法として、AR分野に賭けたと捉えられる。クック氏は、過去5年の間に公開の場で15回も「ARの一番のファンは私だ」と述べ、ARがAppleの次のターニングポイントを作るとの認識を示していた。

Appleは2013年以降、センサーやARソフトウエア、ARコンテンツエコシステム、ARグラスなどを手掛ける企業十数社を買収してきた。今年に入ってからは、ARヘッドセットに関連する特許11件を取得している。ここ8年の取り組みでメタバースへの「入場券」を勝ち取ったAppleは、いち早くメタバースの概念を実現する企業になるかもしれない。

ARに勝機を見出そうとしている企業はAppleだけではない。「Meta Platforms」(旧Facebook)やクアルコムなどもAR関連製品を打ち出している。AR分野はテック系企業が目指す新たな「金脈」となっている。しかし現在のところ、ARヘッドセットに対応するアプリには限りがあり、エコシステムの整備も進んでいない。AR分野に参入する企業がメタバースを実現していく道のりの先に、どんな課題が待ち受けているかもまだ分からない。

(翻訳・田村広子)

原文はこちら

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録

関連キーワード

セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け

メールマガジンに登録