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POCT分子診断システムを手がける「優思達生物技術(USTAR)」(以下、USTAR)はシリーズE+で3億元(約54億円)超を調達した。出資を主導したのは「CPE源峰」で、既存株主の「東方富海(Oriental Fortune Capital)」も出資した。今回の資金をコアプロダクトのハイスループット全自動核酸増幅検査システム「EasyNat」の効率化、検査種類の拡充、家庭用PCR検査システムの量産、そして次世代型検査プラットフォームの開発に充てる計画だ。
USTARは設立後、POCT(Point of Care Testing、臨床現場即時検査)分子診断関連プロダクトの開発に注力してきた。同社のPCR抽出・増幅一体型ソリューションは中国国家薬品監督管理局(NMPA)、欧州CE、ブラジル国家衛生監督庁(ANVISA)、オーストラリア医療製品管理局(TGA)などの機関から認証を得ている。
同社のPOCTプロダクトはすでに中国2000カ所超の医療機関をカバーしており、60カ国以上で販売されている。さらに自立駆動型の家庭向けマイクロ流体デバイスも開発。医療機関、家庭での検査の両シーンをカバーするに至った。
主席研究員である優其敏氏のリーダーシップの下、USTARは従来の磁気ビーズ法を統合し、核酸の抽出から増幅までの過程を独立した密閉型の試験官の中で行えるようにした。
USTARのEasyNatは診療所から大規模医療機関の発熱外来、診療科などでのクイック検査を行える。また、呼吸器、生殖機能や院内感染といった分野の病原体検査における検査試薬の開発も行っている。
家庭用検査市場は体外診断分野のブルーオーシャンだ。調査会社「Fior Markets」のレポートでは、2017年世界の家庭用検査市場規模は47億8000万ドル(約5500億円)だったが、2025年には65億3000万ドル(約7500億円)に成長すると予測される。この成長の背景には当然新型コロナウイルスの拡大がある。家庭でのPCR検査プロダクトを例に挙げると、海外では生産が追い付かないほど購入希望者が多く、高額ながら購入頻度の高い消費財となっている。
このため、同社は自立駆動型の家庭向けマイクロ流体デバイスを開発。サンプル採取の標準化と診断の自動化を実現し、特別な訓練を受けなくても正確な検査結果が得られるため、家庭での検査に向いている。現在は新型コロナの感染の有無を判断できるが、今後はインフルエンザ向けにも開発を進めていく。
なお先月には「九安医療(andon)」の米国子会社「iHealth Labs」が開発した新型コロナウイルス抗原検査キットのOTC化がFDAで承認され、公衆衛生緊急事態時に米国および米国の使用許可が下りた国、地域で一般向けに販売できるようになった。家庭用検査キットの輸出が可能となったのだ。
九安医療以外にも、熱景生物(Hotgen)、万孚生物(Wondfo)などが家庭用検査キットを海外市場に投入しているが、中国ではいまだ販売チャネルがない状態だ。
(翻訳・Qiuni)
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