スマートゴミ分別回収機の「小黄狗」が「笨哥哥」を買収、16兆円市場に挑む

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12月10日、環境保護テクノロジー開発の「小黄狗(Xiaohuanggou)」が、ゴミ回収B2Bプラットフォームの「笨哥哥(bengege)」を買収したことが明らかになった。小黄狗は笨哥哥の株式を100%取得し、両社は統合される。笨哥哥CEO兼創業者の桂博文氏は小黄狗の総裁に就き、董事長の唐軍氏をサポートする。なお、小黄狗は新たな資金調達を計画中で、評価額は150億元(約2500億円)に達したという。

笨哥哥は主に各地に分散しているゴミ回収人員をまとめ、回収したゴミを仕分けして販売するB2Bプラットフォームを運営している。10の省・自治区でサービスを展開しており、スマートゴミ分別処理センターを15カ所で運営。1日当たりのゴミ処理能力は3000トンで、1カ月の流通総額は5000万元(約8億2000万円)に達している。

一方、小黄狗の専門はB2C業務だ。最も知られているのは「スマートゴミ分別回収機」(ゴミの分別回収・換金をしてくれる回収機)で、これを各地区に設置することで、ゴミの分別回収、一括輸送、集中処理といった「IoT+スマート回収」モデルを構築した。現在、同社は30都市の約3500地区でサービスを展開しており、設置した回収機は約5000台。累計ユーザー数は123万人を突破しているという。

画像は小黄狗サイトより

両社は今年8月、戦略的パートナーシップを締結しており、4カ月間の協業を経て、このたびの買収に至った。

本件について笨哥哥の桂氏は「我々が得意としているのは顧客企業の開拓、ゴミ分別処理センターの建設管理で、小黄狗は回収設備の製造設置に長けている」とし、両社の業務が補完関係にあることを強調。唐氏は「両社が目指す方向は一致している。笨哥哥との統合により、小黄狗のエコシステムを拡充させ、持続的に発展できる」と述べている。

来年、両社のゴミ分別処理センターの業務・組織・管理は統合され、施設数は約100カ所にまで増加する見込み。また、スマートゴミ分別回収機の設置数も10万台に達する見込みだ。ブランド名については、当面は現状維持となり、いずれ小黄狗に統一される可能性があるという。

中国の主要廃棄物回収総量は2016年末時点で約2.56億トンを記録したとするデータもある。主要再生資源利用量は2021年までに3.25億トン程度に達する見込みで、将来的なリサイクル市場の規模は1兆元(約16兆円)を超えるとまで言われている。

これまで、一般消費者からのゴミ回収、分別、リサイクルは難題とされてきた。需要が膨大で分散していることに加え、ゴミが分類されないまま捨てられてしまうと、分別処理が非常に困難となり、再利用率も下がってしまうからだ。また、従来のゴミ回収モデルやO2Oモデルは単価が低い割に物流コストが高く、収益も上げにくい。そのため、ITを活用するゴミ回収関連企業の多くは、B2B業務に転向している状況だ。

こうした状況の中、小黄狗はスマートゴミ分別回収機を開発・設置することで、財務の問題もクリアした。もちろん、回収機には、周知の必要性があること、管理やメンテナンスが必須であることなどの課題があり、特に高価な設備代はネックとなる。同社のビジネスモデルを成功させるには、回収機の設置密度も高めていかなければならず、資金調達力もキーになってくるだろう。
(翻訳・飯塚竜二)

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