5年後の自動車アフターマーケットは32兆円、「甲乙丙丁」が透明化を目指す

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自動車のアフターマーケットは成長を続けており、2023年には市場規模が2兆元(約32兆円)に達すると予測されている。しかしサプライチェーン内での情報格差により、業界全体の効率は未だに低い水準にある。

2016年設立の「甲乙丙丁集団(Jiayibingding)」は、インターネットやO2Oを取り入れて自動車アフターマーケット業界向けのサービスプラットフォームを立ち上げた。社名は、自動車部品のサプライチェーンの(甲)工場、(乙)販売店、(丙)サービス、(丁)自動車オーナーの4段階に由来する。

従来のアフターマーケット業界には、以下のような問題があった。

甲(工場):工場建設のコストが高く、販売チャネルを管理しにくい。商品の横流しが横行し、価格体系が混乱している。

乙(販売店):販売チャネルの拡大が難しく、コスト高になる。従前の販売店体制が崩れ、商品の横流しが発生する。オフラインの販売チャネルが変化して利潤が大幅に減少した。

丙(サービス店舗):消耗戦になっており、仕入れ・顧客獲得のいずれもチャネルが狭い。

丁(自動車オーナー):ディーラー離れが進み、コストパフォーマンスが良いサービスを探している。

中国の自動車アフターサービス店の数はアメリカの10倍以上とされる。 また車の平均使用年数はアメリカの7年に対し中国は4.5年で、中国のアフターマーケットは供給過剰の状態にある。

これらのことから、甲乙丙丁は製造、仕入れ、販売向けにそれぞれプラットフォームを作り、透明化することにより、製造から販売に至る全ての業務の効率を向上させようとしている。

同社の董事長兼CEOの阮成瑜氏は、「サプライヤーと店舗の間で在庫・チャネル・業務を共有し、取引を最適化しなければならない。共有することでコストを抑え、共同でサービス店を運営する。店舗と自動車オーナーの間では、口コミサイト『大衆点評(DianPing)』のように情報を集約することでサービスを向上させていく」としている。まずは商用車向けにサービスが展開されている。

現在、同社の提携サプライヤーは5000社、サービス店は9万軒に達し、10月の流通総額は3億元(約48億円)超を記録した。流通総額は毎月20%増のペースで成長している。

また、株主らの倉庫を同社の「クラウド管理型倉庫」として統合し、流動在庫20億元(約325億円)を保有している。この倉庫は全国40か所にあり、管轄エリア内であれば部品などを40分で配達できる。

同社のビジネスモデルでは、プラットフォームでの取引手数料、ファイナンス、保険・広告・データ分析などの関連サービスが主な収入源となっている。同社は2017年に新会社を設立し、すでにエンジェルラウンドとシリーズAで合計36千万元(約58億7000万円)の資金を調達している。
(翻訳・神江乃緒)

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