後発組のソーシャルEC「庫店」、「高級品の代理購入」に勝機あり

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後発組のソーシャルEC「庫店」、「高級品の代理購入」に勝機あり

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ECプラットフォーム運営企業「寺庫(SECOO)」が今年6月にローンチした「庫店」が、ソーシャルEC市場をさらに多様化させている。SNSを通じたプロモーションで販売を拡大しており、すでに出店者は10万超、月あたりの取引額は2500万元(約4億円)以上となっている。

同じく寺庫が運営する「寺庫奢侈品」では主に高級アパレルを取り扱うが、庫店は生鮮食品や生活用品、コスメ・スキンケア用品などを主力としており、ローエンドからミドルレンジの顧客をターゲットにする。

商品ラインナップについて、庫店CEOの鄭剣豪氏は「ソーシャルECでは、ユーザーが商品を探しはじめてから購入に至るまでのプロセスに多くのコストを割けない。彼らの意思決定を早めるには、日用消耗品が最も適していると考えた。三・四級都市在住のユーザーは、1万元(約16万円)以上の買い物はほとんどしない」と説明している。

この3年ほどで急速に盛り上がってきているソーシャルEC市場だが、「雲集(YUNJI)」「環球捕手(GLOBAL SCANNER)」「貝店(Beidian)」「達令家(DALING FAMILY)」のような先発組が幅を利かせる中、後発の庫店がシェアを伸ばすには、独自のウリを見つけ出すことが急務だろう。

専業主婦という最良の顧客はもう奪えない

ソーシャルECの主要ユーザーは育児中の専業主婦だ。しかし、すでに大手のライバルが彼女たちの多くを囲い込み済みで、庫店に残されたパイは大きくない。また、専業主婦の影響力は家族や友人など狭い範囲にしか及ばないことが多い。したがって、庫店は新たな顧客群を開拓しなければならない。

そこで庫店が注目しているのが、二・三級都市在住の社会人だ。ここには企業管理職や個人経営者、大手企業勤務の社員など、社会に対して一定の影響力を持つ人々が含まれる。庫店の出店者は社会人が42%を占め、専業主婦は28%に留まる。年齢層では30~39歳が40%と最多を占める。40~49歳も20%に上る。

専業主婦は取引に全力投球できるが、会社員は副業の範囲で従事するしかない。しかし、一旦運営し始めると、のめり込む出店者も多いという。もちろん、売り上げもモチベーションの一つだが、それ以上に商品が売れたときの達成感が大きな魅力となっている。ごく一部だが、月額20万元(約330万円)も稼ぎ出す出店者もいるという。大多数の出店者は月額1000元(約1万6000円)ほどの売り上げだが、雲集の300~500元(約5000~8000円)からすると、平均値はかなり高い。なお、顧客獲得は80%以上がWeChat(微信)のグループやモーメンツ経由だ。

同一線上のサプライチェーンでどのように差別化を図るか?

これまで高級路線のECを展開してきた寺庫にとって、日用消耗品を主力とする庫店向けのサプライチェーンを構築することは新たな挑戦だ。そこで、庫店は複数の商社と提携してサードパーティー・ロジスティクスを導入し、運営スキームの軽量化を図っている。

また、前出のソーシャルEC先発組のほとんどがローエンドからミドルレンジを主戦場としているため、ここからの脱却も図らなければならない。庫店はまずミドルレンジの顧客を獲得した後、彼らの関心を高級価格帯の商品へ誘導して、主戦場をハイエンドへ移行していく方針だ。

電子商取引法改正が追い風に

庫店は現在、1000万ドル(約11億円)の調達を準備中だ。資金の用途は主に以下の3つ。

1)二・三級都市の開拓:各地でプロモーションや説明会を行っている。現在は1日5回のペースで開催しており、2~3カ月以内に100回開催を目指す。
2)サプライチェーンの拡充:大ヒットにつながる商品を市場で買い占め、「庫店でしか買えない」目玉商品を生む。
3)高級品専門の代理購入事業を立ち上げる:2019年前半にスタートし、後半は実店舗の加盟店を増やす。

代理購入サービスは、ソーシャル機能と最も結びつきやすい。また、高価格帯商品に関しては、30万SKUにも上る高級ブランド品を扱う「寺庫奢侈品」のサプライチェーンを活用できる。

さらに、2019年1月1日より施行される「電子商取引法の改正」が庫店にとっては追い風となる。月額3万元(約50万円)以上の取引には、国内と仕入れ先国の双方で営業許可証を取得し、なおかつ納税が義務付けられる。個人出店者には痛手だが、各国に仕入れ先を持つ庫店にとっては、仕入れ先の提供と引き換えに彼らを取り込むチャンスだ。鄭剣豪CEOは「後発組にこそチャンスがある」と信じている。
(翻訳・愛玉)

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