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新エネルギー車向けの充電設備運営プラットフォーム「蔚景雲(Weijingyun)」が、シリーズAで「創業工坊(Venture Workshop)」から数千万元(数億円)を調達した。調達した資金は製品開発や市場開拓に充てる。
蔚景雲は2016年に設立。市場に散在する充電ステーションや充電スタンドを統合し、充電設備の管理・取引などの運営サービスを提供する。個人消費者向けにはサービスの入り口を一本化し、自動車向け充電業界でB2B2Cモデルを展開している。
米テスラをはじめ、蔚来汽車(NIO)、小鵬汽車(Xpeng Motors)、理想汽車(Li Auto)などの新興メーカーが、自動車の電動化に向けた一大ムーブメントを興した。消費者はさまざまなTPOで充電へのニーズを高め続けている。充電設備の運営企業にとっては事業拡大の一大チャンスが訪れているのだ。
蔚景雲の黄隽瑩CEOによると、自動車向け充電サービス業界は断片化、ローカル化が進んでいる。それぞれのサービスがそれぞれの都市の地理的特徴に沿っているため、都市ごとに充電ステーションのサイズやサービスの形式が異なり、ユーザーが複数の対応アプリを使い分けなければならない場合も少なくない。自宅のある集合住宅の駐車場ではミニアプリを使い、職場近くでは別のアプリを使うといった具合だ。
蔚景雲のようなサービスプラットフォームはこうしたサービス事業者をまとめ、ユーザーに向けてサービスの入り口を一つにしている。
黄CEOによると、同社の事業は主に以下の三つだ。
一つ目は、ローカルで充電サービスを提供する運営企業にSaaSをリース契約で提供し、設備の運営サービスも提供するもの。二つ目は、大規模な充電サービスを展開する運営企業向けにプライベートクラウド、ハイブリッドクラウドなどを提供するもの。三つ目は、都市の充電サービスネットワーク向けにプラットフォーム型の監督管理サービスを提供するものだ。
現在、蔚景雲のプラットフォームは充電サービス企業約700社、充電ステーション8000カ所以上に接続している。プラットフォーム上にある私設の充電スタンドが6万以上、公共の充電スタンドは12万以上に上る。
黄CEOによると、自動車向け充電サービス事業に商機が芽生え始めたのは5〜6年前だが、新エネルギー車やEVの当時の普及状況にそれ以上の成長を阻まれていたという。当時のサービスは主にバスや商用車をターゲットとしたもの、あるいは一部の都市で試験的に行われているものだった。
しかし、EVの普及規模が拡大してきて充電サービス市場にもさまざまなプレーヤーが参入してきた。テスラや小鵬汽車のようにEVメーカー自身が独自に充電設備を建設するパターンや、オンライン配車プラットフォーム「DiDi(滴滴出行)」、地図情報サービス「高徳地図(Amap)」「百度地図(Baidu Maps)」などのインターネット企業によるもの、国営送電サービス「国家電網(ステートグリッド)」や充電設備運営を専門に手がける「特来電(TELD)」によるものなどがある。
黄CEOは、業界を独占するようなプレーヤーは短期的には現れないだろうと考える。また、自動車向け充電サービス業界は国家が主導する新型インフラでも重要な位置に置かれており、参入者が多い中、業界自体が今後もより開放的な方向へ発展していくであろうことから、蔚景雲のような運営サービスを提供する企業には可能性があると考えている。
(翻訳・愛玉)
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