GAFAのコーディング面接対策で知られている米「LeetCode」、中国事業が数十億円を調達

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GAFAのコーディング面接対策で知られている米「LeetCode」、中国事業が数十億円を調達

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IT技術人材の就活支援などを行う学習プラットフォーム「力扣(LeetCode)」がこのほどシリーズAで数千万ドル(数十億円)を獲得した。「光速中国(Lightspeed China Partners)」が単独で出資した。米シリコンバレーで誕生したLeetCodeが「力扣」として2018年に中国へ進出して以降、資金調達を公表したのは今回が初となる。

調達した資金はコアプロダクトのアップデート、収益力を持つエコシステムの構築に充て、求人プラットフォームの設立、業界基準の構築にも注力していくという。米シリコンバレーで設立した同社の技術的強みを生かして中国事業の地固めを行うと同時に、中国・米国以外にも市場を開拓していく構えだ。

力扣(LeetCode)

同社は2011年、シリコンバレーを拠点に世界的にも最も早期に誕生したOJ(Online Judge、プログラミング競技のためのオンライン採点システム)プラットフォームの一つだ。誕生以降、シリコンバレー、さらに世界規模で影響力を拡大させてきた。同社のサービスはGAFAのようなインターネット大手やハイテク企業の技術面接に導入されており、シリコンバレーでは技術人材選抜のための基準になっている。

創業者のHercy Chang氏は2018年、同社を正式に中国に参入させ、3年の間に400万人のプログラマーをユーザーとして取り込んだ。コード提出数は年間で億を超える。ユーザーの中には有名なプログラマーもおり、多くの大学も同社製の問題を補助教材として使用している。

LeetCodeは技術人材の終身にわたるキャリアアップ支援に注力している。技術人材のスキルアップ、収入向上のサポートや、次世代の技術人材育成のために事業展開している。個人ユーザー向けにはOJ技術を通じて自動採点、プログラミング問題集作成などのベーシックな機能モジュールを作り、ユーザー同士で情報交換ができるコミュニティを構築して提供する。今年第3四半期には法人向けプロダクトの事業化も正式にスタートし、企業版、面接官版などをリリースしている。

LeetCodeのセールスポイント

法人・個人双方に向けサービスを展開

LeetCodeは個人ユーザー、企業ユーザーの双方にサービスを提供する希少なプラットフォームの一つだ。

法人向けには、中国で技術人材が減りつつある現状において、良質なオリジナルのプログラミング問題集をベースに、さらなる法人向けビジネスの拡大を探り、企業に対し人材の全ライフサイクルに沿ったソリューションを提供している。

LeetCodeの標準問題集、採点エンジンをベースにした企業版サービスには、精度の高い求人システム、専門人材の評価システム、オンライン面接ツールの標準化、さらには企業内コンテストのカスタマイズといったプロダクトが含まれており、技術人材の採用コスト削減に繋がっている。同社の法人向けサービスは中国国内の大手ハイテク企業から高く評価されており、それら企業へのサービス導入実績も多数ある。

個人向けには、膨大な量のプログラミング問題集を基に、プログラミングコンテストなどを開催し、ユーザーの高い忠誠度、高評価を獲得している。

同社の主催するプログラミングコンテストは、プログラマーにとっては最も認知度の高いオンライン競技大会の一つとなっており、連続6大会開催されている。出場者はのべ10万人近くに上る。また、毎週開催のコンテストもあり、すでに330回以上行われてきた(毎週、隔週開催のコンテスト含む)。世界中から毎回平均1万人以上が出場し、大手IT企業に勤めるプログラマーたちが技術を競い合っている。

全世界で21万人が参加したコンテスト結果 上位10人の半分が中国のユーザー

中国工業情報化部(工信部)、大手求人サイトの「拉勾網(Lagou.com)」などによると、中国のプログラマーは2020年に750万人を超えた。2025年までにその数は2000万人に達すると見込まれ、その7割の給与は月1万元(約18万円)を超えるとされる。

企業側は、プログラミング分野での実務経験が5年以下の初級~中級の人材を求めているケースが多い。採用にあたっては、使いやすい技術面接ツールがなく、スピーディーかつ客観的に人材のレベル評価ができない、といった悩みがある。

LeetCodeは顧客への貢献を通じて、大手企業への浸透を目指している。同社サービスを導入する企業はすでに100社を超え、年間の売上高成長率は100%を超えている。

今後はユーザーの行動データを蓄積し、企業ニーズを把握することで業界共通のプログラミマーの評価基準を構築することと、世界最大のビジネスSNS「LinkedIn(リンクトイン)」や人材マッチングサービス「BOSS直聘(BOSS Zhipin)」などを参考に、プラグラマーに特化した求人プラットフォーム兼SNSを構築し、求人の効率と質を高めたいとしている。

(翻訳・Qiunai)

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