中国パワー半導体「芯長征」が約90億円調達 脱炭素政策で需要急増

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中国パワー半導体「芯長征」が約90億円調達 脱炭素政策で需要急増

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パワー半導体を設計・生産する「芯長征(Marching Power)」がこのほど、シリーズCで5億元(約90億円)以上を調達した。出資を主導したのは「鼎暉投資(CDH Investments)」で、「北汽産業投資(BAIC Capital)」「高榕資本(Gaorong Capital)」「国科嘉和(CASH Capital)」など多数が出資に加わった。調達した資金は新エネルギー車や太陽光発電向け製品の開発強化や生産能力拡大に用いられる。

芯長征は2017年に設立され、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)、モジュールという3つの製品ラインを展開しており、新エネルギー車や産業機器向けのパッケージングモジュールや家電向けのインテリジェントパワーモジュール(IPM)を生産している。

芯長征の研究データによると、世界のパワー半導体市場は2600億元(約4兆6600億円)を超える規模で、その約40%を中国市場が占めている。川下産業における需要拡大を受けて、中国のパワー半導体市場は急速に成長している。なかでも大きなニーズを抱える自動車産業では、新エネルギー車が市場のさらなる成長をけん引しており、2025年には中国の自動車用パワー半導体市場が270億元(約4800億円)規模に達すると見込まれている。

芯長征の朱陽軍CEOは今後3~5年の間に注力する分野として、パワー半導体の主戦場である産業機器、インバーター技術を導入した省エネ家電、新エネルギー分野の3つを挙げた。

朱CEOの話では、中国政府が「双炭(2030年までのカーボンピークアウト、2060年までのカーボンニュートラル)」目標を打ち出して以降、前述のパワー半導体部品はいずれも大きな成長を遂げたという。2021年に入ってから太陽光発電、特に分散型太陽光発電に必要なパワー半導体が全面的な供給不足に陥り、需要の逼迫度合いは増している。また新エネルギー車市場が急激に成長したことで、メインインバーターやOBD(車載式故障診断装置)、PTC(正温度係数)サーミスタなど中核部品に使用されるパワー半導体の需要が大幅に増加した。産業機器の分野も毎年8%のペースで成長を続けている。朱CEOは、今後10年は安定したサプライチェーン確保のために、国内の家電・自動車メーカーなどは地元サプライヤーを積極的に取り込むようになり、中国のパワー半導体産業は全盛期を迎えると見ている。

芯長征の産業機器向けの製品は、第4世代から高い競争力を持つ第6世代へと徐々に移行している。その性能は世界大手企業の第4世代製品に比べ低損失で、スイッチング特性とコストパフォーマンスに優れているほか、第4世代製品の特徴である高い信頼性とロバスト性(頑健性)も備えている。

新エネルギー車向けの同社製品は、ベンチマークとしている世界大手企業と同じ第7世代をリリースしている。現在、国内の主要自動車メーカーと乗用車向け製品の量産を進めており、商用車向け製品はすでに全面的な量産体制に入っている。

同社は注力分野の研究開発に大量のリソースを投入しているほか、人材育成も重視しており、中国科学院と共に育成プログラムを立ち上げて、研究開発力に優れ産業に特化した半導体人材を育てている。

芯長征の中核となる技術チームは主に中国科学院出身者で構成されている。2008年に国家科学技術重大特定プロジェクトにおけるパワー半導体の研究開発に深く関わり、複数のIGBT関連チップやプロセスの開発のほか、2014年から始まったシリコンカーバイド(SiC)チップの開発にも携わった。特定プロジェクトに従事した10年近くの間に、設計からプロセス、検査、応用に至る全行程のコア技術と開発経験を積み重ね、その技術レベルはトップクラスと言える。
(翻訳・畠中裕子)

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