EC大手「Shopee」、インドで事業停止求める声 背後の中国資本を問題視

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シンガポール発で、東南アジアにおける最大規模のECプラットフォーム「Shopee」について、全インド商人連盟(CAIT)は同国の財務相に書簡を送り、インド事業を停止するよう求めた。Shopeeは中国資本をバックに持つ企業で、これが海外企業によるインドへの直接投資に関する政策に違反し、インド企業の利益に脅威をもたらしていると指摘している。

CAITはインドで8000万人の小売業者と4万の商業団体を代表する小売業界団体で、これまでに何度も米EC大手アマゾンを批判してきた。昨年に同社のジェフ・ベゾスCEO(当時)がインドを訪問した際にも抗議活動を行っており、アマゾンや米ウォルマート系EC大手Flipkartによる略奪的価格設定と反競争的行為を指摘している。インド競争委員会(CCI)も今月中旬、アマゾンが取引情報を隠蔽したと認定し、あるインドの小売企業に対する投資認可を取り消したうえ、20億ルピー(約30億円)の罰金を課した。この件に関しても、CAITはCCIに書簡を送っていた。

同団体は中国企業と中国製品も排除のターゲットとしている。今年7月には中国製品のボイコットを呼びかけ、中国製品の輸入を減らすよう求めた。

今回Shopeeをターゲットとした理由は、同社のバックグラウンドに中国があり、インドの直接投資政策に違反することだ。インドは昨年、新たな海外直接投資(FDI)政策を発表し、インドと陸路で国境を接するすべての国からの直接投資について、インド政府の承認を経るよう義務付けた。

CAITによると、Shopeeのインド事業は「SPPIN India Private Limited」が運営しているが、同社はシンガポールで登記される「SPPIN I Private Limited」「SPPIN II Private Limited」の2社に属しており、さらにこの2社はケイマン諸島で登記される「SPPIN Limited」を親会社としている。CAITは、このような複雑な組織構造は意図的に「インド政府を混乱させ、中国資本をインドに引き入れるものだ」と指摘する。

さらに、Shopeeのオーナーが中国IT大手テンセントと創業者のフォレスト・リー(李小冬)氏であることも指摘。Shopeeの親会社「Sea Group(冬海集団)」が今年3月に発表した年次報告書によると、テンセントの持ち株比率は22.9%。なお、創業者のリー氏は現在はシンガポール籍だが中国出身だ。

C公開書簡の中で、インド政府が過去に中国系アプリをダウンロード禁止にしたことに触れ、Shopeeは自社のバックグランドを隠したため、当時は規制対象にならなかったとしている。

CAITがShopeeに関する声明を発表するのは今回が初めてではない。Shopeeが今年8月にインドで出店業者を募集した際にも、同社に絡む中国資本について調査するよう公に求めている。今回の声明ではさらに、Shopeeで多くの商品が1ルピー(約1.5円)、9ルピー(約14円)、49ルピー(約75円)の価格で販売されており,このような低価格戦略が長期に続けば、自国の小売店、零細企業や小売企業にとっては脅威になると指摘している。

Shoppeの今年の国際化戦略でインドは重要な一角を占めた。報道によると、Shopeeはインドでソフトローンチして数週間で1日あたりの受注件数が10万件を突破し、アプリストアGoogle Playでダウンロード数100万回を突破した。12月に入って出店業者は2万を超え、インドではアマゾンやFlipkartの競争相手として浮上する見込みだ。アマゾン、FlipkartはインドのEC市場を牽引する存在で、両社の1日の受注件数は200〜250万件と報じられている。
(翻訳・愛玉)

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