遅れた業界に大きなチャンス、「健康」「若者向け」で中国の漬物市場に挑む

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中国人の味覚はなかなか変えられないーーこの前提で、中国の伝統食品企業は現代の価値観や健康志向に合致した製品を開発する必要に迫られている。

近日、36krが接触した深圳市の「吾泡(woopow)」も、同社の主力製品に「進化」が必要だと考えている。中国における漬物の歴史は長く、また、漬物は中国人にとって大変馴染み深い食品のひとつだ。市場調査会社「智研咨詢(Intelligence Research Group)」のデータによると、2015年の中国漬物市場は466.36億元(約7600億円)に達している。

ECサイト天猫(Tmall)で「漬物」を検索すると、売り上げ上位はほとんどが「キムチ」。タオバオ(淘宝)の結果もほぼ同様だ。

吾泡の創業者である曹新佳氏は、国内市場に出回っているキムチのほとんどは中国で生産されていると言う。「四川漬物」は中国の伝統的な漬物で、関連企業が上場を果たすほどの人気ぶりだが、一方で現代の若者の味覚に合わないという問題も抱えており、新しいブランドはなかなか浸透しない。

そこで、曹氏は若者からも愛される漬物を作りたいと考えた。曹氏は大学在学中に弟とともに「帥兄泡菜」という漬物専門店を立ち上げ、同店は一躍有名になる。卒業後、ふたりはさらに研究開発を進め、パック入り漬物をオンライン販売するに至った。

吾泡の製法は、伝統的な漬物作りの技術を改良したものだ。新鮮な大根を低濃度塩水で前処理した後、オリジナルの汁に漬け、18.5度に保たれた冷蔵庫で100時間自然発酵させる。こうして作られた同社の漬物は、亜硝酸塩含有量がゼロとなっており、健康志向の消費者の支持を得ているという。

曹氏は「漬物はバラエティに欠ける食品と思われがちだが、実はさまざまな素材が漬物にできる」と話す。昔ながらの大根の漬物だけでもバリエーションがあり、また、ピーマンや鶏の足といった変わった食材を使った製品もある。最近では生姜の漬物も発売した。

同社の製品価格帯は12〜28元(約200〜300円)。 同社のオンラインショップのデータをまとめると、購入者は18〜35歳の女性が中心で、中には月に3〜5回リピート購入する顧客もいるとのこと。月間総販売数は数万缶に達する。

販売ルートは、オンラインではタオバオ、WeChat(微信)経由がメイン。オフラインでは「盒馬鮮生(Hema Fresh)」などの新小売スーパーが中心だ。また、同社は漬物を「おやつ」と位置付けており、カラオケチェーンの軽食メニューや飲食店の前菜メニューに取り入れられている。消費シーンは多様化しているのだ。

吾泡は現在、深圳市の工場に生産を委託しているが、その製法・技術は同社が管理している。材料の選別や発酵のプロセスは比較的複雑だが、試行錯誤を経て標準化にも成功した。

ザーサイで有名な「涪陵搾菜」のような大手企業も存在するものの、今のところ漬物業界の競争は激しくない。前述の通り、多くの漬物製品は画一化、パターン化しているという問題を抱えており、若い消費者への訴求力にも欠けるため、吾泡のように「差別化」を図る企業にはチャンスが生まれているようだ。

吾泡の主要メンバーは5人。同社は今年7月、エンジェルラウンドで数百万元(百万元=約1600万円)を調達した。
(翻訳・飯塚竜二)

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