廃棄物取引プラットフォーム「再生博士」が資金調達。AIで査定、マッチング支援

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廃棄物取引プラットフォームを運営する「天眼智聯(Tianyan Zhilian)」(以下、同社プラットフォーム名「再生博士(doctor scrap)」)がこのほど、「奇績創壇(MIRACLE PLUS)」からシードラウンドで数百万元(数千万円)を調達した。

世界全体で毎年200億トン以上もの廃棄物が焼却や埋立処分されている。再生博士創業者の譚天氏は「純然たる廃棄物というものはない。あるのは処理方法が間違っている資源だけだ」と話す。世界でリサイクルされている廃棄物は20%以下にすぎず、中国の廃棄物リサイクル率は世界平均をはるかに下回る。廃棄物リサイクル業界はまだ規模が小さい。

材料の取引が分散し、品質が安定せず、市場の流通システムが整っていないことが、業界の発展を阻害している。いかにして客観的に材料を識別、査定し、供給と需要を結び付けるかが、廃棄物リサイクル業界にとって最大の課題だ。譚氏は、昨年9月にリリースした再生博士プラットフォームはこれらの課題を解決すると話す。

譚氏によると、再生博士は総合的なリサイクル工場、廃棄物の加工工場、廃棄物を使用する工場向けに廃棄物の識別、品質検査、査定、取引が簡単な操作で行えるシステムを提供するという。売り手は廃棄物の画像を撮影するかアップロードすれば再生博士が廃棄物の種類と構成物を識別、リアルタイムで価格を査定して世界中の買い手と自動でマッチングする。

識別、品質検査、査定

プラットフォームでは主にマシンビジョンとディープラーニングの技術を使い、自社で構築した廃棄物のデータベースに基づいて廃棄物の種類と利用可能な資源の含有量を正確に識別する。

譚氏は2016年から自身で廃棄物のデータの収集やタグ付けを進めているとしたうえで「現在弊社のプラットフォームは世界最大の廃棄物のデータベースを有する」と話す。同社プラットフォームは、非鉄金属に属する数百種類の廃棄物を90%以上の精度で識別、査定をするという。

精度の高い査定の方法について、譚氏は「まずどんな原料も大口の先物商品と価格が連動する。次に、廃棄物の価値を査定するにはエネルギー先物の変動によって生じる生産、運送コストの変化を総合的に考慮しなければならない。大量の取引情報を分析することで、廃棄物と先物の相対的な関係がみえてくる。最後に、値決めのアルゴリズムは自分が保有する廃棄物リサイクルの過去10年のデータを参考にしている」と語った。

顧客が廃棄物の情報をアップロードするとアルゴリズムに基づいて自動で需要量の大きい買い手にレコメンドする。

特筆したいのは、廃棄物のリサイクルは二酸化炭素削減も促進することだ。中国物資再生協会再生プラスチック分科委員会の統計データによると、2019年に処分が必要な廃プラスチック約6300万トンのうちリサイクルして再利用されたのは30%にすぎなかった。

再生博士は、廃棄物の商品化によって埋め立て処分される廃棄物の割合を減らす。また、工場が廃棄物を再生した材料で製品を生産すれば、石油精製や鉱石製錬をして製品を生産する際に発生する二酸化炭素を大幅に減らすことができる。

譚氏は「将来的には取引データをブロックチェーンで管理する予定だ。プラットフォームの利用者にとっても、取引過程のデータが正しく記録されれば最終的にはその他事業の二酸化炭素排出と相殺できるようになり、会社の二酸化炭素排出削減にプラスに働く」と話す。

創業者の譚氏はリサイクル業界の連続起業家で、中心メンバーにはマイクロソフト、アリババ出身の国内外のリサイクル業界の専門家、AIやコンピュータビジョン分野の科学者も抱える。

(翻訳・二胡)

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