ジャック・マー会長、「2019年はチャンス」とポジティブ思考

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アリババのジャック・マー(馬雲)会長が1月3日、上海で開催された「世界浙江商人上海フォーラム」に出席。難しい2019年を「いかに乗り切るか」について語った。

マー会長はまず複雑に変化する経済情勢について「9割の人が現在の経済情勢を恨んでいると思うが、事業が立ち行かなくなった9割の企業は、経済情勢とは全く関係がない」と断言。その上で「企業は己の基本的な業務を向上させる努力を怠ってはならない。己が強くなることでのみ、大きな洪水や風浪に対処できる。さもなければ、飲み込まれることになるだろう」と警告した。

具体的には、マー会長は「企業のトップが心理状態を整える」重要性を説く。経営の諸々の問題をマクロ経済の責任にするのではなく、「自分の責任と捉えることが必要」とし、「ゆっくりと、より良く、気持ちよく、楽しく、物事に当たること。そうすれば成長できる」と述べ、経済情勢が不安定な時は「身の丈にあった経営をすることが大切」と説いた。

また、企業に問題が生じたときに、マー会長は「軌道修正する必要があるかないかを検討することは必要」としつつも、むやみやたらに他の業界や新しい事業に手を出すことは勧めない。「自分たちが発展できるかどうかだ。戦略を調整するのならば、まず第一に人材の調整を試みたかどうか、第二に組織の調整を試みたかどうか、第三にKPI(重要業績評価指標)を試みたかどうかについて考えてみよう。毎年、多くの企業が新戦略を掲げるが、人材、組織、KPIについては調整していない」と苦言を呈した。

最大のトピックスとも言える「米中貿易摩擦」については、マー会長は「過去20年余り米中貿易は発展を続けてきた。問題や矛盾がないほうがかえって不自然で、矛盾があって当然」とする。そして「他人を責めたり、トランプ大統領を責めたりしても意味はない。母親を換えられないのと同じで、トランプ大統領を換えることはできない。自分たちが変わらなければならない」と述べ、「これらの矛盾がどれだけあなたに影響しているのか、これらの問題がどれだけあなたに悪影響を及ぼしているのかを客観的に見てほしい。経営がうまくいっているときは、世界のことなど気にならず、己に関心が集中しているはず」と、貿易摩擦に過剰反応しないように戒めた。

最後にマー会長は「中国は14億という人口を抱えており、そのうち3億人は中間所得層だ。欧州も10億という巨大な人口を抱えるが、欧州は数十の国と地域に分けられている。しかし、中国は一つの経済体であり、同じ経済政策の下にある。こうした巨大市場は世界のどこにもない。我々の国は『2036年計画』『2050年計画』などの長期的計画を進められる数少ない国でもある。ほとんどの国は5年後の計画さえもはっきりしていない。なぜなら政権政党が変わるからだ。過去20年間のインフラ投資額は欧米諸国の20年間分の合計額を超えており、チャンスはずっと大きい」と述べ、出席した企業家たちに自国市場の大切さを強調するとともに、「2019年はチャンスとチャレンジに満ちている」とエールを贈った。
(翻訳・飯塚竜二)

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