快手が文書管理アプリ「一起写」を買収、B2B事業へ進出か

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快手が文書管理アプリ「一起写」を買収、B2B事業へ進出か

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動画投稿アプリの「快手(Kwai)」が、クラウド文書管理アプリ「一起写(yiqixie.com)」を買収していたことがわかった。一起写の株主「金山WPS(キングソフト)」も買収を計画していたが、価格などが折り合わず断念したという。

快手側は買収について「ノーコメント」としており、具体的な買収額もわかっていない。

最近、クラウド文書管理の分野では活発な動きが続いている。

テンセント(騰訊)は「騰訊文檔(docs.qq.com)」をリリース。月間アクティブユーザーは4ヶ月で1600万人に達した。モバイルオフィスソリューションの「釘釘(Ding Talk)」は金山WPSと共同で「釘釘智能文檔」を発表。

TikTokの運営元「バイトダンス(字節跳動)」は月間アクティブユーザー1300万人を擁する「石墨文檔(shimo.im)」に出資した。

2016年8月、一起写は金山WPSから出資を得て、さらに2017年7月にはシリーズBで快手をはじめ金山WPSなどから780万ドル(約8億5千万円)を調達した。金山WPSと一起写はレベニューシェアでも提携していた。

しかし、最終的に一起写が快手を売却先に選んだのには様々な理由がある。

一起写が自社の売却を決断した最大の理由は資金難だ。 2014年12月に設立された同社は、2016年3月に商業化に踏み切った。収益は主に自社のアプリ利用料とWPSとの提携によるレベニューシェア、APIの使用料で、2017年末には収支均衡する見通しだった。

しかし、テンセントが2018年4月18日に騰訊文檔をローンチし、個人ユーザー向けは永久無料と発表した。

これを受けて4月24日には、一起写も月額料金11元(約180円)を撤廃。 個人ユーザーが600万人とすると、1年間の損失は数億元(1億元=約16億円)に上るとみられる。

この金額は、新興企業が負担できるものではない。これにより収支均衡の計画も白紙となり、その後の資金調達にも影響が出た。

ところで、ショート動画アプリの快手が文書管理アプリの会社を買収したのはなぜか?

当時、快手CEOの宿華氏が自社内に文書共有ソフトを導入しようと一起写のオフィスで商談していたところ、一起写が資金調達を行っていることを偶然知ったという。

宿華氏と一起写のCEOは二人ともグーグルで働いていたという縁もあり、出資の話が進んだとのことだ。

そして今、一起写は、快手がB2B事業に進出する第一歩になると見られている。

一起写はすでに10万社の顧客を有している。買収後は、快手はこれらの顧客を自社のプラットフォームに乗り換えさせたり、広告やマーケティングサービスを提供したりできる。

テンセント、百度(バイドゥ)、小米(シャオミ)、京東(JD.com)などの企業は、快手の公式アカウントを開設して、ショート動画を活用したソーシャル・マーケティングを行っているのだ。

最近、快手はデイリーアクティブユーザーが1億6千万人を超えたと発表した。同プラットフォームには、個人ユーザーに加えて、多数のブランドアカウント、特に中小企業のアカウントがあり、これらの企業も社内の生産性を向上させるための共有ツールを必要としている。

快手はこれらの企業にも一起写のサービスを提供し、それによって企業や団体アカウントのロイヤルティをさらに高めることができる。
(翻訳・神江乃緒)

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