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以前もこちらの記事で紹介したが、
2018年11月にリリースされた音楽ソーシャルアプリ「音遇(inyu)」が、App Storeのソーシャルアプリランキングで、WeChat(微信)を抑えて一時トップとなる大ヒットを記録した。
音遇アプリとは
カラオケゲーム自体は目新しいものではないが、音遇はプレイ方法で差別化を図っている。
詳しくは以前の記事を参照していただきたい。
音遇の特徴は、人気ユーザーとフォロワーという従属関係ではなく、友だち同士の感覚で他のユーザーと知り合えることだ。バトル中にギフトやメッセージを送ったり、フォローしたりして、見知らぬプレーヤーと「友だち」感覚で交流できる。
一方で広く「ファン」を増やそうとするプレーヤーもいる。ソーシャルエンタテイメント業界では広告やイベントなどで収入を得ている人気ユーザーも多く、彼らはライブ配信によりフォロワーを増やすことで収入を増やしたり影響力を拡大している。歌唱力という武器をもつプレーヤーなら、音遇でそういうチャンスがある。
昨年、ボイスチャットゲーム「狼人殺(日本名:人狼殺)」がヒットしたことで、リアルタイムコミュニケーションの人気に火がついた。長らく人気を維持している動画サイト「YY.com」もライブ配信に力を入れており、リアルタイム双方向ソーシャルが成功のカギになっている。間もなく始まる5G技術を使って「リアルタイム&双方向」をメインにしたアプリができたならば、より集中的で素早いフィードバックを実現できる。
リアルタイム交流は、音遇の成功の一因だ。音遇がこれを採用したのは、プレーヤーがより多くのフィードバックを得られるようにするためだ。今後はより高効率のネットワーク技術を活用して、タイムラグのない、より快適なプレイ体験を実現するはずだ。
従来のカラオケゲームの失敗
短期間で音遇が爆発的にヒットした理由は、気軽に参加できることだ。これまでのカラオケ判定アプリでは、キーが高すぎたり低すぎたりして歌いにくかった。また、オリジナルの通りに歌うことを想定していたので、ゲームやコンテストに参加するためには1曲全部を歌う必要があり、それほど歌が得意でないユーザーにはハードルが高かった。
一方、音遇アプリでは鼻歌感覚で1~2節を歌えば判定してくれる。ユーザーはいつも歌っているように気軽に参加でき、ごく普通の人でも数十分遊び続けることができる。さらに、「いいね」やバトル中のチャット、ギフト、フォローなどを取り入れて、ソーシャル性とゲームを組み合わせた全く新しいプラットフォームを作り上げたのだ。
現在、微博(ウェイボー)にアップされた音遇アプリの爆笑動画集には1万件以上のコメントが付き、2万回以上シェアされている。TikTokでも、音遇タグの爆笑動画の再生回数は50万回を超えた。音遇は歌唱力が優れたユーザーをターゲットにしているわけではなく、歌が得意でない人を含めて、表現したいと願う幅広いユーザーを取り込もうとしているのだ。
ブーム到来でアプリ乱立か?
カラオケアプリに使われる音声識別技術や判定エンジンは技術的なハードルが低いため、今後一大ブームが起こり、同種のアプリが乱立する可能性がある。とはいえ、音遇は効率的な運営と先行者メリットを活かして順調に資金を調達、評価額は2億ドル(約220億元)に達した。チームはこの先の発展を見据えて、十分な人材を確保し、アプリの最適化と新コンテンツの開発を重点的に進めていくことだろう。
(翻訳・畠中裕子)
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