中国コスメブランド台頭、実力で海外のファン獲得

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中国コスメブランド台頭、実力で海外のファン獲得

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【新華社上海2月10日】中国コスメブランドが台頭する中、中国の消費者は品質が良く、価格が安い国産品を続々と見つけ出している。それだけでなく、海外の消費者も中国コスメブランドに対する見方を改め始めている。フォロワー数1千万人以上を誇る米国のメークアップ・アーティストのジェフリースター氏は、動画配信サービス「ユーチューブ」に投稿した2022年最初の化粧品レビュー動画で中国ブランドの「花西子(FIorasis)」を取り上げ、海外のネットユーザーからも「細部や芸術性が驚くほど完璧」、「包装がとてもきれいで好き」などのコメントが寄せられた。

花西子は21年3月に海外進出を始めた。日本では同ブランドの「同心錠リップスティック」がオンラインでの販売開始初日、通販サイト「アマゾンジャパン」が1時間ごとに更新する口紅の売れ筋ランキングで上位3位に入った。同ブランドはすでに米国、オーストラリア、欧州を中心とする43カ国・地域で製品を販売している。

公式サイトより

ここ数年は仏コスメ専門チェーン「セフォラ」でも「茶霊(CHA LING)」や「蔚藍之美(WEI)」、「相宜本草唐(INOHERB TANG)」、「瑪麗黛佳(MARIE DALGAR)」など数多くの中国コスメブランドが取り扱われるようになっている。セフォラの担当責任者は「当社は世界の35の市場で2700店以上の店舗を運営しており、中国ブランドの海外進出をめぐる問題を解決し、迅速に国際市場に進出する手助けをすることができる」と語った。

中国香料香精化粧品工業協会の陳少軍理事長は、中国コスメブランドが常に消費者の人気を集めていることに触れ、モバイルインターネットが発展を後押ししたことに加え、ブランドが研究開発を強化し、実力を磨いた結果でもあるとの見解を示した。

中国国家薬品監督管理局は21年、「化粧品分類ルール・分類目録」「化粧品効能効果宣伝評価規範」「化粧品安全性評価技術ガイドライン(2021年版)」という三つの新たなルールを発表した。これにより、化粧品業界は効能効果をうたう時代を本格的に迎え、中国ブランドには真剣に研究開発に打ち込むことも求められるようになった。

発明特許件数は企業の目に見える実力を示す重要な指標の一つだ。中国コスメブランドはこの分野でも加速局面にある。企業情報サイト「天眼査」によると、「花西子」の親会社である浙江宜格企業管理が新たに取得した特許件数は21年10月末時点で106件に上った。また、コスメブランドでは華熙生物科技傘下の「夸迪(QUADHA)」の同時期の新規特許取得件数が304件、貝泰妮集団傘下の「薇諾娜(WINONA)」が355件となった。

中国コスメブランドの特許件数の増加は研究開発投資の拡大と切り離すことができない。「HFP(Home Facial Rro)」は21年3月、1億元(1元=約18円)以上を投じた研究開発ビルの供用開始を発表した。花西子は同年8月、国内外のトップクラスの科学研究機関十数社を集めた「東方コスメ研究院」を設立したほか、薇諾娜も1億元を出資し、雲南省昆明市でテストや技術開発などを手がける子会社を設立する計画を明らかにした。

陳氏は「総じて言えば、中国コスメ業界は歴史が浅く、国際的な有名ブランドとの間に一定の差があることは確かだ。だが、中国市場の開放が進むことで、中国本土企業は新たなチャンスを迎えることができる」との考えを示した。

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