恒大がスウェーデンのEVメーカー「NEVS」 を買収、EV市場に本格参入

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恒大がスウェーデンのEVメーカー「NEVS」 を買収、EV市場に本格参入

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不動産コングロマリット中国恒大集団(China Evergrande Group)傘下の「恒大健康産業集団(Evergrande Health Industry Group)」は1月15日、スウェーデンのEVメーカー「ナショナル・エレクトリック・ビークル・スウェーデン(NEVS)」の51%の株式を9億3000万ドル(約1000億円)で取得したことを発表した。

香港の環境エネルギー開発会社と日本の投資会社の出資で設立されたNEVSは、すでに経営破綻していたサーブ・オートモービルを2012年に買収。同社のコア資産と知的財産権を取得した。

NEVSの溶接ライン

サーブの歴史と技術を継承したNEVSは、サーブをEVメーカーに転身させる計画をスタート。しかし、その後も経営は安定せず、2014年にはスウェーデンの本社工場を閉鎖するなど経営再建に乗り出した。同社初となるEV(9-3EV)の量産が開始したのは2017年になってからのことだった。

現在、NEVSは1800人以上の従業員を抱えており、スウェーデンにR&Dセンターを構える。自社開発した知的財産権はバッテリー、モーター、電気制御システム、車載ネットワーク、生産・製造など多岐の分野にわたっており、電池冷却システムや安全装置、空気清浄システムでは世界最先端の技術を有する。純電気自動車(BEV)のR&Dプラットフォーム「フェニックス」も構築済みだ。完全に自社でBEVを製造し、自動運転技術も量産車へ導入できるレベルに達している。

NEVSの塗装ライン

注目すべきは、NEVSは中国国家発展改革委員会(NDRC)と中国工業情報化部(MIIT)が承認したEV生産許可を取得済みで、天津に量産工場を構えているということだ。今後上海にも工場を建設する予定で、すでに量産タイプのEV2車種を開発済みだという。

NEVSの組立ライン

恒大は、NEVSのR&Dプラットフォームに基づいて、エントリーモデルからハイスペックモデルまで、すべてのグレードのEVの開発・製造・販売を行う方針だ。また、同社は昨年9月に中国最大の自動車ディーラーを傘下に抱える「新彊広匯実業投資(XINJIANG GUANGHUI INDUSTRY INVESTMENT)」の株式40.964%を144億9000万元(約2300億円)で取得し、中国最大の自動車販売チャネルも手にしている。今後はスマートネットワーク、バッテリー、充電機器などの分野のパートナー企業とも協力して、全国各地にスマート充電スタンドを配置するとともに、スマートEVの産業チェーンを整備して市場開拓するという。

サーブ・オートモービルの親会社であるサーブは軍用機製造企業として1937年に誕生。同社は、1947年に航空機製造技術および経験をもとにサーブ・オートモービルを立ち上げて、欧州の高級自動車メーカーとして名を馳せた。しかし、その後に経営が悪化。1990年に米ゼネラルモーターズ(GM)の出資を受け、2000年にGMの完全子会社となった。2009年にGMが破綻すると、2010年にはオランダのスパイカー・カーズに売却されたが、それでも経営は改善せず。2011年に破産し、NEVSに買収された。
(翻訳・飯塚竜二)

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