中国スノボ金メダリスト育てた日本人コーチは日中友好の「大きな架け橋」、日本の良さを私も伝えたい

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中国スノボ金メダリスト育てた日本人コーチは日中友好の「大きな架け橋」、日本の良さを私も伝えたい

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スノーボード男子の蘇翊鳴選手は、2月18日に18歳になりました。その直前に北京冬季五輪のスロープスタイルで銀、男子ビッグエアで金メダルを獲得し、中国の冬季五輪史上最年少、17歳での金メダリストになりました。

幼いころからスキーが大好きだった蘇選手は8歳のとき、その腕前を買われて2014年の映画「タイガー・マウンテン~雪原の死闘~」に出演しました。代役なしで滑走シーンを滑りきり、監督たちに「将来は金メダルだね」と言われていたそうですが、その言葉が本当になって、当時の監督も喜んだり驚いたりしています。

英語、中国語、日本語混ぜコミュニケーション

蘇選手を金メダリストに育て上げたのは、日本人の佐藤康弘コーチです。蘇選手は岩渕麗楽、大塚健、鬼塚雅ら五輪選手の指導歴がある佐藤コーチを小さなころから知っていて、14歳のときについに日本で直接教えてもらう機会を得ました。

最初は2回転しかできなかった蘇選手は、今大会で5回転半する大技「バックサイド1980」を世界に見せました。蘇選手は表彰式後の記者会見で、こう話しました。

「僕はコーチと非常に短い時間で、お互いの性格を理解し、信頼しあいました。滑走の前にはコーチと抱き合うんです。特別な力を感じられて、自信がつきます。僕はもっと余裕をもって勝負ができます」

「新しい動きを試したいとき、チャレンジしたいとき、試合のとき、僕たちには深い信頼があります。佐藤コーチの指導はとても分かりやすいし、コーチは僕の言葉にきちんと耳を傾けてくれます」

元映画子役の蘇選手には企業からのオファーも殺到している。

佐藤コーチはスキー関係の仕事を30年間ぐらいやってきて、スキー選手の育成に全力を注いできました。そして2018年平昌五輪後、中国チームのコーチを引き受けました。

日本人が中国の選手を指導することについて、佐藤コーチは最初葛藤があったそうです。しかし、蘇選手からの信頼や彼の両親、周りの人の優しさ、熱意に心を動かされ、国境を越えて指導したいと思うようになったのです。

新型コロナウイルスの影響で中国から出られなくなった蘇選手は、毎日練習の内容を佐藤コーチに送って、1年半ほどオンラインで指導を受けました。2人は英語、日本語、中国語3つの言語でコミュニケーションを取っているようです。佐藤コーチによると、蘇翊鳴の日本語は可愛いそうです。

4年前、佐藤コーチが指導する日本人選手を100とすれば15の実力しかなかった蘇選手は、北京五輪に向け努力を続け、ついに夢の舞台でメダルを獲得しました。蘇選手は、佐藤コーチにメダルをかけて、「このメダルは僕たちのメダル、僕の人生を変えてくれて、ありがとう」と何回も言いました。

佐藤コーチは大きな架け橋

佐藤コーチはまさに中日友好の架け橋だと私は思います。

私は中国の大学で日本語を専攻しました。周りの人々には「なぜ日本語を選んだの? 日本人の言葉なんて勉強しなくてもいいよ」「昔中国を侵略した歴史を忘れたのかな」と言われました。

大学時代、日本語で作文を書くとき、私はよく「将来、中日友好の架け橋になりたいです」と書いていました。ただ、その意味を分かっても、どう行動すべきかはよく分かりませんでした。中国で日本人に中国語を教えるアルバイトをしていたとき、中国のおいしい料理や美しい場所を日本人に紹介しながら、「これは架け橋に当たるかな?」と時々迷っていました。

その後、日本に留学し、福岡へ旅行したときのことです。私は民泊プラットフォームのAirbnbで一軒家に泊めてもらいました。ホストのおばあさんと一緒にごはんを食べたり、テレビを見て、私は日本でのアルバイトについて、「大変だ」と愚痴や文句を言いました。おばあさんは「王さんはすごいよ。一人で旅行して、日本語も上手で。でもお金を稼ぐのは簡単なことではない。アルバイトは大変なものだよ」と励ましてくれました。

福岡に旅行したとき民泊のホストがつくってくれた朝ごはん。

おばあさんは最後に、「王さんは将来、日中友好の架け橋になればいいね」と言ってくれました。

私は今、日本人の少ない中国の都市で仕事をしています。時々、「日本の一番いいところは何ですか」と聞かれ、空気がいいことや人々の礼儀正しさ、春の桜、北海道の雪の美しさなど、自分の体験を話しています。もし相手が「日本もいいところだね」と言うと、私は嬉しくなり、「小さい架け橋」になれたかなと思います。同時に、福岡で出会ったおばあさんもきっと、架け橋のような人だったと思い出すのです。

佐藤コーチは今大会のスローガン「Together for a shared future」を体現する人で、中日友好の大きい架け橋です。私に大きなことはできませんが、自分の身の回りに小さな中日友好の橋を架けて行きたいです。

(トップ画像はYouTubeポーザーズチャンネルより)

王夢夢:河北省衡水市出身、在住の27歳。大学で日本語を専攻し、2016~17年に筑波大学に交換留学。貿易会社勤務を経て、地元に戻って現在は小学校教師。

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