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SNSのストーリー機能がにわかにブームになっている。WeChat(微信)が「視頻動態(タイムカプセル)」機能を追加。「今日頭条(Toutiao)」の運営元「バイトダンス(字節跳動)」が「多閃(Duoshan)」をリリース。テンセント(騰訊)も過去に「DOV」というソーシャルビデオアプリを開発。これら全てがストーリー機能を備えている。
ストーリー機能とは、日常を記録する10秒から2分のショート動画のことで、TikTokなどのショート動画とは違う「リアルさ」を前面に出している。
このストーリー機能を取り入れた「自言(Ziyan)」は、知らない人とつながるソーシャルアプリだ。自言のストーリーは人物にフォーカスしており、「発見」ページに並ぶ動画サムネイルはほとんどが自撮り。動画の内容は個々のキャラクターを際立たせるものだ。
ユーザー同士の交流を促すため、コメントはすぐに個別メッセージとして送信される。「多閃」と同様のこの方法は、知らない人とつながるのに適したものだ。まず言葉を交わすことが第一歩であり、動画コンテンツが最初の一言のための話題を提供してくれる。
例えば、誰かのストーリーにミュージカルの動画がアップされたら、その人は本当にミュージカルが好きなのだとわかる。取ってつけたようなタグとは違う。このようにストーリーを通して交流することで、意気投合できる友人を、より速く、正確に見つけることができる。
運営会社の創業者である何旭氏は「自言はコンテンツ消費型のショート動画コミュニティではないため、コンテンツの質はそれほど重要ではない。個人のリアルな生活を伝えられるかが重要なのだ」と語る。
とはいえ、コンテンツが存在する以上、クオリティに応じて自然に階層化し、最終的には交流の不均衡(人気者にアクセスが集中し、そうではない人には誰もコンタクトしない)を招くのではないか。これに対して何氏は「露出とマッチングはプラットフォーム上でコントロールされている。マッチングの精度を高めるための機能も追加していく。自言は出会いをテーマに市場参入したが、将来的には、動画版ツイッターのような、より大きなソーシャル市場に進出する可能性もある」と述べた。
当初、自言は多閃と同様、親しい人との動画SNSという位置づけだった。しかし、既存のつながりをどのように取り込むかという問題に直面して、方向転換することに決めたという。今後は、一級都市の大学生に向けたプロモーションから始めていく。
何旭氏はライドシェア大手「滴滴出行(Didi Chuxing)」のシニアプロダクトマネージャーを務めた経歴を持つ。すでに「青山資本(Cyanhill Capital)」からシードラウンドで数百万元(100万元=約1600万円)を調達しており、新シリーズでの資金調達も始まっている。
(翻訳・畠中裕子)
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