テンセント系サービスプロバイダーの「微盟集団」が上場、事業面ではテンセントへの依存度上昇

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テンセント系サービスプロバイダーの「微盟集団」が上場、事業面ではテンセントへの依存度上昇

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1月15日、微信(We Chat)系サードパーティサービスの「微盟集団(Weimob)」が香港証券取引所に上場した(証券コード:02013)。上場初値は3.1香港ドル(約43円)で、公開価格の2.8香港ドル(約39円)に比べて10.71%高だった。現時点での上げ幅は14.29%。時価総額は64億4,000万香港ドル(約900億円)。

微盟は、昨年12月31日に公募を開始した。発行株式数は3億200万株、うち90%が海外向けで香港での公募は10%。また、売出予定株数を上回る需要があった場合に追加販売するオーバーアロットメントを15%設定した。香港市場では引受比率が十分でなかったことから、最終的に調達した資金は7億5,600万香港ドル(約106億円)だった。

上場式典であいさつする微盟の創業者の孫涛勇CEO

売り上げは堅調なるも赤字拡大の懸念も

微盟は、創業者兼CEOの資孫涛氏が2013年4月に設立し、中国の中小企業向けにクラウドサービスとマーケティング・ソリューションを提供している。また、騰訊(テンセント)のSNS広告を使った中小企業向けマーケティング・サービスも行っている。

同社のクラウド製品には、SaaS(ビジネスクラウド、マーケティング・セールスクラウド)と、PaaS(Weimobクラウドプラットフォーム)がある。またマーケティング事業はWeChatのモーメンツ、We Chat公式アカウント、QQ、QQ空間(Qzone)、百度(バイドゥ)などのメディアをカバーしている。2018年6月30日時点で、微盟のSaaS製品には约270万社が登録しており、そのうち5万6313社が有料サービスを利用している。2018年上半年にプレシジョンマーケティングを利用した広告主数は1万4,189社に達した。

売り上は、2015年と16年は堅調に推移し、17年には大幅な成長を達成した。

目論見書によると、売上高は2015年が1億1,400万人民元(約18億4,000万円)、2016年が1億8,900万元(約30億円)、2017年が5億3,400万元(85億円)で、2018年上半期は前年同期比56.65%増の3億3,200万元(約53億円)だった。売上総利益は、2015年が9,820万元(約16億円)、2016年が1億6,690万元(約27億円)、2017年が3億4,420万元(55億円)。

一方、利益面はあまり芳しくない。2015年から2017年にかけて、8,910万元(約14億円)の赤字から260万元(約4千万円)の黒字へ、調整後損益は、5,060万元(約8億円)の赤字から1,110万元(約1億8千万円)の黒字に転換した。2018年上半期の損益は6億2,200万元(約100億円)の損失、調整後利益は2840万元(4億5千万円)だった。

テンセントへの依存度が上昇

微盟の株主企業群は強力だ。株主シェアは、テンセント系の「Tencent Mobility」が約3.431%、シンガポールの政府系投資ファンド「GIC」と「凱欣資本(Crescent Point)」がそれぞれ8.333%、「国和投資(Guohe Capital)」が4.386%、SIGが2.167%となっている。
株主の中で、微盟の依存度が最も高いのはテンセントである。売上高に応じて計算すると、微盟はWeChat最大のサービスプロバイダーとなっている。

リサーチコンサルティング事業者のフロスト&サリバンのデータによると、中国国内でWeChatを利用する中小企業のサードパーティサービス市場規模は、2013年の2億元(約32億円)から2017年には35億元(約560億円)となり、年間平均成長率は104.5%だった。2017年の売上高5億3,400万元(約544億円)を元に計算すると、微盟は微信のサードパーティサービス市場で首位の15.3%を占めている。

微盟は目論見書で、テンセントのSNS媒体が会社成長の重要な鍵としている。

微盟がテンセントを通して得たリベートによる収益は、2016年が980万元(約1億6千万円)、2017年が9,140万元(約15億円)、2018年上半期が8,900万元(約14億6千万円)に及んだ。売上総額に占める比率は、2016年の5.2%から、2017年は17.1%、2018年上半期は27.1%に上昇しており、テンセントが微盟の最大の顧客となっている。一方、テンセント向けプレシジョンマーケティング関連の広告トラフィックとクラウドデータサーバー、管理委託サービスの合計費用が総調達額に占める割合は、2015、16年のゼロから、2017年が82.4%、2018年上半期は76.5%で、テンセントは微盟の最大のサプライヤーでもある。

微盟は、短期的にテンセントへの依存度は低下しないとしており、テンセントのプラットフォームとサービスを利用できない場合、業績と財務に重大な影響を与えかねない状況となっている。
(翻訳:林森)

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