ペットボトルを博物館グッズやホテルリネンに再生 過程もブロックチェーンで見える化

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ペットボトルを博物館グッズやホテルリネンに再生 過程もブロックチェーンで見える化

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プラスチック汚染は世界の環境をめぐる喫緊の課題の一つであり、持続的成長にとって直接的な脅威となる。世界のデータを見ると、回収・再利用されるプラスチックはわずか9%。残りは埋め立て処理や焼却処理がされている。

2017年に設立された「P.E.T.好潤環保(Plastic Ecological Transformation)」は、再生PET(ポリエチレンテレフタレート)産業全体に関わるソリューションを専門的に手がける。「プラスチック・ニュートラル(人々が生産・使用するプラスチックの総量と、回収・再利用される再生プラスチックの総量が同じになること)」を最低コストで実施し、カーボン・ニュートラルの実現に向けた具体的なソリューションとなることを目指す。

創業者の趙文静氏によると、ペットボトルを回収・再利用して別の製品にするまでには十数以上のプロセスが存在し、業界事情を知らない企業がリサイクル製品を作るのは時間や手間がかかる。P.E.T.好潤環保はこうした企業のために、サプライヤーの選別や管理、製品のデザインや製作を引き受け、使用・販売できる製品として納品する。

ペットボトルの回収率を根本的に上げるため、P.E.T.好潤環保は以下のようなソリューションを提供している。

まずは、ブロックチェーン技術を活用したトレーサビリティ(双方向に追跡可能な)システムだ。多くの企業がリサイクルに取り組みたいと考えるが、ペットボトル回収以降の処理方法がわからないケースが多い。また、回収後の成果やデータを知る術がない。

これらの問題を受け、P.E.T.好潤環保はブロックチェーン技術をベースとしたトレーサビリティシステムを開発。ペットボトルがリサイクルステーションに届けられてからの一つひとつの処理段階を記録し、回収から再利用までの全過程を追跡可能にした。ペットボトルはロットごとに個別の追跡コードが与えられ、利用者はミニアプリで関連データを閲覧できる。年末にはこれらのデータをまとめてCSR(企業の社会的責任)のデータソースにできる証明書を発行する。

画像:「P.E.T.好潤環保」提供

2つ目は、元来使用していた材料を再生材料で置き換えていく取り組みだ。顧客企業は新たに製品を開発したり、もともとの運営モデルや行動習慣を変更したりすることなく「プラスチック・ニュートラル」を実現できる。まずは日用品から原材料の代替に着手し、微調整を繰り返しながら、本来求められる条件や機能が満たせるものに改良していく。簡単に効率よくペットボトルのリサイクルを実践できるようにしていくのだ。

P.E.T.好潤環保は全国展開できるリソースも併せ持つ。これまでに積み上げたサプライチェーン管理のノウハウと全国各地の優良サプライヤーをトレーサビリティシステムに活かし、既存のサプライチェーンを存分に活用して定期回収と現地処理を行い、最低コストで効率の良い回収管理を実現している。

これらの強みを活かし、P.E.T.好潤環保は四つの事業を展開する。

1つ目は、サステナブルなギフトやオリジナル雑貨だ。21年、故宮博物院とのコラボレーションで始まった「零廃棄故宮(来場者が出すプラスチックごみの埋め立て・焼却処理を減らし、グッズとして再生させるなどの取り組み)」プロジェクトでは、再生材料を用いたオリジナルグッズの開発を担当した。回収したペットボトルからグッズを生産するまでの全過程はドキュメンタリー映像にもなっている。

画像:「P.E.T.好潤環保」提供

2つ目は、ホテル・外食産業の備品だ。これらの業界では大量のリネンを使用する一方、日常的に多くのペットボトルを廃棄している。備品の材料をペットボトル由来の再生材料に置き換える取り組みは、自社で発生する廃棄物を再利用できる循環モデルとして典型的で取り組みやすい。P.E.T.好潤環保は業界で初めてrPET(再生PET)を使用した環境にやさしいホテル用品を開発し、一連の製品は業界で実施される各種テストに合格している。

3つ目はブロックチェーンを使用したトレーサビリティシステムだ。同システムはP.E.T.好潤環保が自社で使用する以外に、顧客企業にも開放している。顧客企業がトレーサビリティサービスを購入すると独自のページが割り当てられ、全回収データの記録・追跡ができる。

4つ目は環境にやさしい学校制服・学生用品のチャリティ事業だ。トレーサビリティシステムを通じて無料で回収した大量のペットボトルを学校制服として再生させ、中国西部の貧困地区の学生たちに毎年寄贈している。

画像:「P.E.T.好潤環保」提供

P.E.T.好潤環保の顧客はコカ・コーラ中国法人や不動産開発「太古地産(Swire Properties)」などの民間企業、共産党機関紙・人民日報の電子版「人民網」などの政府や公的機関、環境NGO「阿拉善SEE生態協会」、「中国紅十字基金」、大手ネット通販企業傘下のチャリティ基金「京東公益(JD Foundation)」などのNGOの3種類に分けられる。

P.E.T.好潤環保は21年、中国本土の企業としては33番目に「B-Corp認証(米NPO「B Lab」による認証制度で、環境・社会に配慮した公益性の高い事業に取り組む優良企業に与えられる)」を取得している。
(翻訳・山下にか)

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