足りないAI人材、技能の高度化と大都市への集中が加速

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足りないAI人材、技能の高度化と大都市への集中が加速

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エンジニアなどの人材紹介サイト「BOSS直聘(BOSS Zhipin)」は、百度(バイドゥ)、「中国傳媒大学(Communication University of China)」と共同で、「中国人工知能ABC(A:人工知能・AI、B:ビッグデータ、C、クラウドコンピューティング)人材発展レポート」を発表した。このレポートは、人工知能産業の分析に基づき、新しい人材育成モデルを提案するものだ。

2018 年以降の人材需給状況を見ると、AI関連のポストへの需要が明らかに増加している。業種別では、金融や道路交通システム、知的生産システムなどの人材ニーズが最も旺盛である。

引用:BOSS直聘TDI指数、2016年ー2018年

データ説明:[青]一般職 例:データマイニング、画像処理

[黄]上級職 例:アルゴリズムエンジニア、ディープラーニング、アーキテクチャー設計

2018年のAI人材市場は高成長の段階にあった。レポートは、2017年のABC関連の人材需要は前年比4.7倍、2018年第3四半期まででは前年同期比3.6倍と伸び率はやや小幅になったものの、依然として需要は強いと指摘している。

中でも、AI関連の人材需要はディープラーニングやアルゴリズムエンジニアといった上級職で大幅に増えている。一方、一般職ポストは比較的需要が落ち着いている。

レポートによると、現在AI関連の人材供給で最も多いのは、データ関連の一般職。アプリケーションやアルゴリズム関連の人材は不足しており、研究者はさらにひっ迫している。

AI関連の人材需要は、2017年から2018年上半期にかけて爆発的に伸びた後、2018年第3四半期には変化が見られた。AI関連の人材需要をリードしているのは現在もインターネットだが、従来型産業でもAI関連の需要が大幅に増えている。

引用:百度指数捜索指数、2018年

2018年には、AIの機能を活用してインターネットと従来型業種と統合することを意味する「産業用IoT」という言葉が盛んに使われた。政策面での誘導効果もあり、いまも注目度が高まっている。

レポートは、従来型産業の中でもスマート農業、フィンテック、スマート製造の3業種が最も注目を集めていると指摘する。中でも先端製造技術と情報技術を融合させたスマート製造業は、高度経済成長期に果たした役割が低下しつつある中、AIを導入することで再び従来型産業の優位性を取り戻す方法と考えられている。

北京のAI関連求人数は全国1位、80%を超えるポストで2種類以上の技能を要求

引用:BOSS直聘、2018年

BOSS 直聘のデータによると、2018 年は、北京、上海、杭州、深圳、広州の5都市にAI関連のポストの8割が集中した。北京が40.3%でトップ、上海は14.5%で2位、経済のデジタル化が進む杭州は10.7%で、深圳を上回った。一方、5都市以外の都市では、AI関連の人材が不足しており、大きな差が出ている。

引用:BOSS直聘TDI指数、2016年ー2018年

レポートによると、北京のAI関連人材の需要は他の4都市を圧倒している。北京には政策が集中し、人材や研究開発、ロケーションなどさまざまな面で優位性を持っており、中国のAI開発の中心と言える。

現在、企業が人材を集める際の決め手は給与と人材育成システムだが、AI関連の人材育成はレベルが高くなればなるほど難しい。企業が知識と人材育成力を備えているかがAI関連の人材を惹きつける要素の一つであり、もう一つの要素は給与である。

AI関連の人材不足という状況で、企業間の人材獲得競争は激化しており、業界では高給での雇用や昇給によるリテンションが一般的になっている。レポートは、AI関連産業の応用は緒に就いたばかりで、採用ポストの定義もまだ固まっておらず、人材が玉石混交となることは不可避なので、企業にとっての人材採用のリスクは高いと指摘している。
(翻訳:林森)

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