ソフトバンクVF2出資主導 カスタマーサービスのスマート化「智歯科技」が115億円調達

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ソフトバンクVF2出資主導 カスタマーサービスのスマート化「智歯科技」が115億円調達

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カスタマーサービスのスマート化ソリューションを手掛ける「智歯科技(sobot.com)」がシリーズDで1億ドル(約115億円)を調達したことが分かった。出資を主導したのは「ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)」で、「高瓴創投(GL Ventures)」「雲啓資本(Yunqi Partners)」も出資した。智歯科技は2015年から現在までに7回の資金調達を完了している。

AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティングの出現にともない、カスタマーサービス関連のソフトウェアも形式が変化してきた。顧客対応を行うスマートロボットなどは人との会話や品質検査、業務処理のサポートが可能で、人件費の削減やレスポンス率の向上に役立っている。

智歯科技は2014年に設立。当初は自社のAI技術を土台にしたスマートカスタマーサービスを入り口に、顧客企業にワンストップのサービスを提供していた。

智歯科技のカスタマーサービスソリューション

2015年には従来のソフトウェアをSaaSへと切り替え、大企業をターゲットとするようになった。以降はロボットが対応するカスタマーサービス、人が対応するオンラインカスタマーサービス、クラウドコールセンター、作業指示システム、サービス提供後の統計分析、BI(ビジネスインテリジェンス、意思決定のためのデータ運営)などへと範囲を広げ、一体化したカスタマーサービスソリューションを形成している。

サービス能力強化のため、2018年末にはPaaSをリリース。自社で開発能力を持つより大規模な企業に向けてサービスを提供するようになった。

「SaaSとPaaS、デディケイテッドクラウド(自社の資源を切り分けて契約企業に専有利用させるクラウド)の部分カスタマイズなどの多様なソリューションによって、さまざまな業種や規模の企業からのあらゆるニーズに対応できる」と同社の呉立楠CTOは話す。

カスタマーサービスソリューションには、顧客のニーズに応えるためさらに細分化したモジュールを備える。例えば、サービスとマーケティングの連携を強化したいとのニーズに対しては、電話を発信するアウトバウンドロボットや問い合わせに答えたり顧客情報を収集したりするチャットボットなどをリリースしている。

またテンセント(騰訊)のビジネスチャットツール「WeChat Work(企業微信)」と提携。同ツールをカスタマーサービスに利用する「企微智客」などのプロダクトをリリースした。

さらに、自社プロダクトの運営を代行するBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)チームを構築。顧客企業に代わって業務上のやり取りから納品、運営までを行い、全プロセスのニーズに応えている。

智歯のSaaSでは年間4億5000万回の通話が発生しており、同時に対応できる人数は90万人だという。

すでに教育や小売り、医療、保険など21の業界に参入しており、大手企業数千社と長期契約を結んでいる。顧客の契約更新率は80%以上に達しており、収益ベースで見た継続率は120%を超えている。現時点では小売り、教育、保険などが顧客の大部分を占めている。

新型コロナウイルスの流行は企業のオンライン化を大きく後押ししたが、カスタマーサービスもその典型例だ。感染拡大期はオフラインで多くのサービスが提供できなくなり、多くの顧客企業がオンライン方式を採用。同社の業績も3年近くにわたって年平均80%前後伸びている。またEC(電子商取引)や海外進出など今後大きな可能性を持つ市場の開拓にも力を入れてきた。

呉CTOは「新しい業界に参入する際、まずカスタマーサービスに照準を合わせることを原則としている。プロダクトは異なる業界に対応できるよう、汎用性と長期利用ができることを重視する」と話す。

今回の資金調達を受けて徐懿CEOは「今後は既存サービスを成長させるほか、開発や技術の刷新に力を入れていく。より多くの業界でニーズを発掘し、競争力のあるソリューションを提供していきたい。マーケティングなどにも力を入れ、より効果的に顧客にリーチできるようにする」と語った。

(翻訳・山口幸子)

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