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米カリフォルニア州に本社がある生鮮食品EC「Weee!」が、シリーズEで4億2500万ドル(約490億円)を調達した。ソフトバンク・ビジョン・ファンドが主導し、「Greyhound Capital」や中国の投資機関「XVC」などの既存株主も出資した。資金調達後のWeee!の評価額は41億ドル(約4720億円)に達した。同社がこれまでに調達した金額は8億ドル(約920億円)を上回る。
創業者Larry Liu氏は起業した理由として、米国では人口の少ないマイノリティのニーズが十分に満たされていないことを挙げる。例えば現地の中国系スーパーでも中国系住民向けの商品は十分ではなく、ウォルマートなどの主要スーパーが満足させるのは主流の消費者だ。Weee!はテクノロジーを活用してECでマイノリティのユーザーにサービスを提供する。
Weee!は2015年設立で、米国のマイノリティ(アジア系、ヒスパニック系)市場をターゲットとする。当初は居住エリアごとの共同購入モデルだったが、その後中国系住民の間でメッセージアプリのWeChatが普及して顧客が自発的にグループをつくるようになったことから、Weee!が商品を厳選してサプライヤーから出荷し、ユーザーは各グループの代表者のところに配達された商品を受け取りに行く形になった。
Weee!は2017年に自社運営のECモデルに転換。大型倉庫を持ち、パートタイムの運転手を使って早ければ翌日に配達する。またサプライチェーン、物流と倉庫管理のシステムを再構築した。米国では生鮮食品ECの浸透率は10%に満たないが、自営モデルは集約的な顧客獲得がしやすく、スケールメリットが得られる。同社のデータによると、現在全米20都市を網羅し、月間アクティブユーザー数はこの1年近くで2.5倍になった。
運営モデルを変更したのは、米国では人口が密集しておらず、ユーザーがグループ代表者の家に商品を取りに行くのは不便だからだ。今回調達した資金はサービスを運営する地域の拡大、マイノリティのユーザーや商品カテゴリーの増加、技術への投資に充てるという。また、ソフトバンク・インベストメント・アドバイザーズのマネジングパートナーであるリディア・ジェット氏がWeee!の取締役会に加わっている。
Weee!は運営地域の拡大に関して、全米30都市を次の目標にしている。マイノリティのユーザーの増加については、引き続きアジア系とヒスパニック系をターゲットとしながら、キューバ、日本、韓国、ベトナム系住民などさらにターゲットを細分化している。Liu氏によると、現在米国のマイノリティ人口は9000万人で総人口の30%を占め、今後毎年3~5%増加するとみられる。これは生鮮食品EC市場が成長市場であることを意味する。マイノリティの消費者は2021年に食品に3600億ドル(約41兆円)消費したが、2023年には消費額が4700億ドル(約54兆円)に達する見込みだ。
商品カテゴリーでは生鮮食品のほか化粧品、インテリアなど食品以外の比重を高めている。このほか、他社買収により米国で料理の配送サービスも開始した。
技術への投資では、サプライチェーンの強化と生産性の向上、プライベートブランドや倉庫面積の拡大を計画している。また、レコメンドアルゴリズムを改善し、ユーザーのニーズをより正確に把握できるようにする。
中国以外の国では生鮮食品を扱うEC企業は配達のスピードを競い合い、大手の場合は注文から10分、15分、1時間で配達する「即配」や当日配達のサービスを相次いで開始している。一方、コスト削減と運転手の配送効率向上のため、Weee!は翌日配達とし、1時間で複数の注文分を配送する。Weee!はWeChat、Line、Facebook、TikTokなどへ広告を出し、ユーザーを獲得している。
(翻訳:36Kr Japan編集部)
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