中国初のHCM関連SaaS企業「CDP」が香港上場へ 住友商事系CVCも出資

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SaaSで人的資本管理(HCM)サービスを提供する「CDP」が先月末、香港証券取引所のメインボードでの上場に向け目論見書を提出した。中国国際金融(CICC)傘下の中国国際金融香港証券とBNPパリバ証券傘下のBNPパリバ証券アジアを主幹事証券会社としている。CDPはこれまでに、モルガン・スタンレー、スウェーデンの投資機関「インベストール (Investor AB)」、住友商事傘下の「Sumitomo Corporation Equity Asia」や中国の投資機関などから資金を調達してきた。

CDPは2004年設立で、中国初のHCM関連SaaSプラットフォームの一つだ。HCMアプリ「WorkLife」が主なサービスで、給料、福利、人材募集、人材開発、労働力管理など全方位のHCMサービスをワンストップで提供する。

目論見書によると、CDPの21年1~9月の売上高は約9億3000万元(約170億円)で前年同期の約7億2000万元(約130億円)から28.3%増、年間売上高は20年が約10億1700万元(約180億円)で前年の8億2000万元(約150億円)から24.4%増加した。

CDPは統合型SaaSプラットフォームで国内外の各業界のトップ企業にサービスを提供してきた。統合型SaaS事業の重要顧客からの年間売上高は平均120万元(約2200万円)以上で、売上高に対する貢献率は83%以上になる。重要顧客のNRR(売上継続率)は19年、20年、21年1~9月でそれぞれ107.0%、119.1%、119.6%だった。

21年12月31日時点で、同社の重要顧客の約60%が上場企業だ。優れた雇用主を認定する世界的権威「Top Employers Institute」が発表した「Top Employers China 2021」の98社のうち、22社はCDPの顧客だった。

目論見書によると、CDPは21年12月31日時点で医療、科学技術、小売りなど45の業界に1000社以上の顧客を抱える。統合型SaaS事業の重要顧客の維持率は19年、20年、21年1~9月でそれぞれ97.9%、95.1%、97.2%、労務管理事業の重要顧客の維持率は平均85%以上で、さらに労務管理事業の顧客の3割以上がSaaSのサービスを定額制で利用していた。LTV(顧客生涯価値、1顧客がもたらす粗利の合計)とCAC(顧客獲得費用)の比率は21年1~9月に統合型SaaS事業が5で、労務管理事業は20だった。

米国など先進国ではHCM SaaS市場が成熟化の傾向にあるのに比べ、中国ではまだ初期段階にある。法人ユーザーは統合型HCM SaaSプラットフォームのほか、エンドツーエンドの付加価値サービスのためにも総合的なソリューションを必要としており、需要は旺盛だ。HCM業界でもHCM SaaSの将来性は高い。

また、中国のHCM SaaS市場のサービスプロバイダーは、中堅・大手顧客からの売り上げが大半を占める。中堅・大手顧客が顧客総数に占める割合は約6.1%だが、売上高では20年に約70.5%を占めた。これは、HCM SaaS市場が中国の大手顧客により寄り添っていることを示す。

CDPが照準を定める海外のHCM市場には巨大な潜在成長力があり、CDPは21年12月31日時点で110社の顧客に対し50の国・地域にまたがるグローバルなHCMサービスを提供している。20年の中国のグローバルブランド上位20社のうち、9社はCDPのHCMグローバルサービスの顧客だった。

(翻訳:36Kr Japan編集部)

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