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【新華社北京3月7日】中国の合併・買収(M&A)市場が好調だ。金融情報サービス大手、浙江核新同花順網絡信息(同花順)のデータによると、今年に入ってからの中国のA株上場企業によるM&A件数は3月2日時点で448件もあり、規模は900億元(1元=約18円)を超えた。そのうち機械設備、電力設備、医薬・バイオ業界のM&A件数が最も多かった。業界関係者は、制度の持続的な改善と経済の転換に支えられ、22年もM&A市場は活況を維持すると予想している。
英会計事務所大手プライスウォーターハウスクーパース(PwC)がこのほど発表した「2021年の中国企業M&A市場の回顧と2022年の見通し」リポートによると、中国国内の21年のM&A件数は過去最多の1万2790件に上り、20年より21%増加した。取引額は過去最多に達した20年から19%減の6374億ドル(1ドル=約115円)となり、プライベート・エクイティ(PE)ファンドによる取引額が初めて総額の半分を超えた。
PwCも22年は中国企業のM&A件数が引き続き高水準を維持する可能性があるとし、22年の件数は21年とほぼ横ばい、またはやや下回ると予想している。
業種別にみると、今年に入ってからのM&Aは製造業の電力設備、機械設備などの業種に集中している。同花順の統計では、今年の上場企業によるM&Aのうち、機械設備業界は55件、電力設備業界は41件、医薬バイオ業界は37件に上った。また、電子、コンピュータ業界でもM&Aの動きが目立っている。
川財証券のチーフエコノミストで研究所所長を務める陳靂(ちん・れき)氏は「今年最も注目すべきはやはり新エネルギー分野のM&Aだ。具体的に言うと、リチウム電池セクターでは川下の需要急増を受けて川上の原材料価格が高騰しており、コスト圧力を軽減するため、新エネルギー企業が次々に川上の鉱業資産買収に乗り出している。また、単結晶シリコンや苛性ソーダなどを手掛ける太陽光発電関連企業にも、二酸化炭素(CO2)排出量のピークアウトとカーボンニュートラル(炭素中立)の目標達成を目指す政策に先導され、太陽光発電所を買収し、自社のグリーン電力問題を解決するというニーズがある」と指摘。もう一つのM&Aが多発している分野はテクノロジー・メディア・通信(TMT)分野で、このセクターは産業チェーンが長く、細分化が進んでおり、M&Aで補強を図るチャンスと需要も多くなっていると述べた。
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