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幼児教育の分野で最もニーズが高いのは、英語教材などのコンテンツと、学習ツールのようなハードウェアだ。ただし、仕組みが単純な学習ツールは、子どもが喜ぶコンテンツに乏しいなどから、コンテンツや製品の継続使用率が低い。そこで、人工知能を使って双方向で会話できる学習ツールを開発する動きがある。
2017年に設立されたスタートアップ企業「子楽科技(Zile Keji)」は、子ども向け英語教育製品「杜丫丫AI英語学習機」をリリースした。
同製品は、3-6歳の未就学児向けで、家庭で行う「英語学習+早期教育のお供」になることを想定したスマートスピーカーだ。双方向の会話やクイック翻訳ができるほか、音声で物語や童謡をリクエストすることができる。
同製品のカリキュラムは「言語蓄積と初期発話期」や「語彙の習得加速期」などにより、4つのレベルに分けられている。レベル1,2では簡単な単語とフレーズ、レベル3,4では文型や英語の童謡を学べるようになっており、ブランドキャラクターのアヒル「杜丫丫(ドゥ・ヤーヤー)」が先生また遊び相手として登場する。
AIを搭載した同製品の最大の特徴は、学習ソフトのペースに合わせるのではなく、アヒルと自由に会話しながら各自のペースで学習を進めていける点だ。例えば、「ねぇ、リンゴは英語で何と言うか、もう一度教えて」と話しかければ、「Apple」という答えがすぐに返ってくる。
英語学習にスマート機器が必要な理由
子楽科技の創業者でCTOの杜熙氏は、英語学習にスマート機器が必要な理由について以下の三点を挙げた。
一つ目は子どもの相手になれること。早期教育で最も重要なのは「家庭での教育」であり、中でも重要なのは「子どもの相手をすること」だ。子どもと会話しながら英語も教えてくれる「杜丫丫」は、子どもの相手として様々な役割をこなしてくれる。
二つ目は耳を慣らせること。子どもは繰り返し聞いて真似することが大切で、双方向形式で言語や知識を習得していく。スマート機器では、英語の童謡や物語などをいつでも再生できるよう保護者が設定できる。これにより、子どもにとっては、毎日英語に耳を慣らすことができる。
三つ目は子どもの言語資料を収集できること。音声データはAIの発展に欠かせない。ただし、子どもの音声データは不足しており、音声や語彙が曖昧であることで、さらに複雑になっている。このデータをいち早く収集できれば、今後の「AI+教育」製品の研究において大きなアドバンテージとなる。
同製品のディスプレイは目を保護するブルーライト低減チップや画面への近づきすぎを知らせる赤外線距離センサーを搭載。画面の解像度はiPhoneレベル。音声対話システムは、音声認識技術の「思必馳(AISPEECH)」と提携して開発された。京東(JD.com)旗艦店での販売価格は1099元(約1万7800円)で、半年間の無料英語レッスンが含まれる。
杜熙氏は、百度(バイドゥ)のオープンクラウド業務の責任者、「楽視(LeEco)グループ」AI技術の総経理などを歴任した。
同社は2017年下半期の設立以降、「雲丁科技(Yunding Technology)」CEOの陳彬氏によるエンジェル投資を受けたほか、シリーズPre-Aで「険峰長青(K2VC)」からすでに数千万元(1千万元=約1億6000万円)を調達した。
(翻訳・畠中裕子)
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