京東物流、宅配大手「徳邦物流」買収へ 巨大EC主導で進む業界再編

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京東物流、宅配大手「徳邦物流」買収へ 巨大EC主導で進む業界再編

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中国宅配大手「徳邦物流(DEPPON LOGISTICS)」が、中国の電子商取引(EC)大手「京東集団(JDドットコム)」傘下の物流会社「京東物流(JD Logistics)」に間もなく買収されるとの噂が広がっている。同社は、3月1日に発表した公告の内容が全てだとし、明確に否定しなかった。

買収の噂が囁かれ始めた2月28日、徳邦物流の株式は取引停止となった。株式保有に関する重要事項の変更を計画していることが理由とされた。当初、取引停止の期間は2取引日を超えることはないとみられていた。

しかし、同社は3月1日の公告で、「各関係先と株式保有の変更に関わる事項について協議を進めているが、依然として合意に至っていないため、2日の取引再開は見送る」と明らかにしていた。

一部メディアは、すでに買収が完了したと伝えている。京東物流がすでに崔維星董事長に代わる役員を送りこんだとの情報もある。

今回の買収劇で、中国宅配業界の再編がさらに進む可能性がある。2020年には「順豊速運(SFエクスプレス)」が香港を拠点とする「嘉里物流聯網(Kerry Logistics Network)」を、21年にはインドネシアの「J&T Express(極兎速逓)」が「百世集団(Best Group)」を買収している。

宅配事業の規模拡大には、物流インフラの整備やネットワークの構築、トラックや航空機など輸送手段の確保が必要になる。そのため、同業他社の買収が事業拡大の早道となる。

中国の宅配市場では、15年から16年にかけて企業が乱立したために市場が分散したが、17年から19年にかけて価格競争が激化。業界再編による市場の集中が進み、上位8社によるシェアが82.5%に達した。しかし、20年にJ&Tや「衆郵快逓(Zhongyou Express)」、豊網速運などが参入すると、市場の寡占状態は緩和した。

そんな中、EC大手が企業買収などを通じて宅配市場に参入した。。アリババ集団は「圓通速逓(YTO Express)」「中通快逓(ZTO Express)」「申通快逓(STO Express)」「韵達速逓(Yunda Express)」の宅配大手4社を傘下に収め、京東物流は「跨越速運(Kuayue-Express)」を買収した。

現在の宅配業界の主力は、アリババ傘下の4社のほか、京東物流および最も早く直営方式を取り入れ航空貨物も扱う順豊速運となっている。

21年上半期の宅配各社の売上高上位5社は、韵達速逓、京東物流、中通速逓、圓通速逓、徳邦物流の順だった。徳邦物流は04年にトラック輸送と航空輸送を組み合わせたサービスを開始。13年には大型貨物輸送サービスを打ち出し、「空輸のスピードとトラック輸送の価格」を強みに市場を席巻した。しかし、大型貨物輸送はコストがかさみ、利益に結びついていない。一方、京東物流は効率とサービスの良さを強みとしているが、発注をECサイトの京東商城(JD.com)に依存しているという弱みもある。今回、業界2位と5位の両社が統合されれば、中国の宅配市場の勢力図が書き換えられることになる。

宅配市場の集中度が高まるにつれ、競争は激しさを増している。ライブコマースの拡大は、宅配会社に新たなチャンスをもたらした。中国製品の輸出拡大で、宅配会社も海外市場進出にも力を入れ始めた。こうした動きの中、中国宅配業界の再編がさらに加速するとみられる。

(翻訳:36kr Japan編集部)

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