中国新興EVトップ3社が出資を争う車載電池メーカー。スマホ向けから転換

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EV(電気自動車)向けリチウムイオン電池を生産する「欣旺達(Sunwoda)」は2月24日、子会社「欣旺達電動汽車電池」の増資に対して19社が出資することを取締役会が承認したと発表した。増資額は24億3000万元(約450億円)で、約19.55%にあたる株式が発行され、うち資本金に12億3700万元(約230億円)が払い込まれる。

「理想汽車(Li Auto)」関連会社の「江蘇車和家」が4億元(約75億円)、「蔚来汽車(NIO)」関連会社の「蔚瑞投資」が2億5000万元(約50億円)を出資し、持株比率をそれぞれ3.21%、2.01%とする。さらに「小鵬汽車(Xpeng)」をバックに持つ「Sky Top LLC」も4億元を出し、持株比率を3.21%とする。中国の新興EVメーカー御三家が顔をそろえた形だ。

増資後、欣旺達汽車電池の資本金は50億8700万元(約930億円)から63億2500万元(約1160億円)に増える。欣旺達側の発表によると、今回の増資で得た資金は全て日常的な運営資金に充てられるという。

電子機器から駆動用バッテリー市場へ

欣旺達は電子機器や家電のバッテリーを主力事業として1997年に深圳で設立された。10年あまりの間に、スマートフォン用バッテリーで大きな成果をあげ、ファーウェイ(華為)やシャオミ(小米科技)、OPPOなどスマホ大手を顧客としてきた。しかし初期に手がけていたバッテリーパックは、業界では最も骨の折れる部分と言われており、バッテリーセル製造に比べて収益性もはるかに低いものだった。そのため欣旺達は徐々に製品の付加価値を高めていくことにした。

2008年から駆動用バッテリーのための布石を打ち、EV用バッテリー企業の買収や設立などを行って、2014年に駆動用バッテリー市場に参入を果たした。その後の数年に、駆動用バッテリーセルに関わる研究院や会社を設立したり、生産ラインに投資したりして、ついに2018年、バッテリーセルの自社生産を実現する。現在は、消費者向け電子機器や家電、スマートデバイス、EV、エネルギー貯蔵システム、エネルギーインターネットなどの産業に進出している。

欣旺達の梁鋭副総裁は過去のインタビューの中で、売上高のうち駆動用バッテリーの割合はまだ小さく、国内の市場シェアもそれほど大きくないと語っていた。「中国汽車電力電池産業創新聯盟」のデータによると、2021年に欣旺達は国内市場シェア1.3%で10位につけ、年間搭載量は2.06GWhだった。目下、「吉利汽車(Geely)」「東風柳州汽車(Dongfeng Liuzhou)」、ルノー・日産、ボルボなど大手自動車メーカーと提携を進めているほか、吉利などと合弁会社を設立し生産能力の拡大を図っている。

それでも欣旺達の野心はとどまらない。梁副総裁は国内の駆動用バッテリー市場でトップ3を目指すと語ったことがある。その言葉通り、欣旺達は事業展開を急速に進めている。2021年12月に、200億元(約3670億円)を投じて山東省棗庄市に年産30GWhの生産ラインを建設すると発表、江蘇省南京市にも135億元(約2500億円)をかけて年産30GWhの生産拠点を建設するという。同社の生産能力は2025年までに140GWhに達する見込みだ。

ただ総合的に見ると、やはり業界大手には及ばない。2025年までに業界最大手のCATLは年産600GWhを見込んでいるほか、EV大手・比亜迪(BYD)は430GWh、ほかの大手バッテリーメーカーも200~500GWhを見込んでいる。

中国の新エネルギー車の販売台数は、2021年に前年比160%増の352万1000台となり、今年1月の販売台数も前年同期比140%増の43万1000台だった。ただ需要が急増する一方で駆動用バッテリーの供給が追いつかず、原材料の価格が高騰している。バッテリーの原材料である炭酸リチウムはこのところ1トン当たり46万7500元(約860万円)で取引されており、1年前の価格と比べると実に9倍以上に跳ね上がっている。

今回、欣旺達の増資に新興EVメーカーを含む19社が出資するのも、自動車メーカーを悩ますバッテリー問題が大きな要因になっているようだ。
(翻訳・畠中裕子)

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