テスラ車、バックでぶつけて修理費370万円 EVオーナーを悩ます高額メンテナンス問題

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米EV(電気自動車)大手テスラの車のオーナーが修理費用の高さを不満に思い、インターネットに投稿したところ大きな話題になった。このオーナーの写真では、テスラのモデルYが後退時に壁にぶつかって右側後ろが大きく陥没し、リアドアやテールランプなどが損傷している。テスラのアフターサービス担当者が保険会社に確認し修理費用は約20万元(約370万円)と案内したが、この数字は車両の価格(28万元、約520万円)に近い。

米メディア「Clean Technica」もニューヨークのテスラ車オーナーの似たような体験を報道している。モデル3を移動させる時に約10cmのへこみ傷ができたが、車両の損傷はひどくはなかった。ところが、テスラと契約する修理店の見積もりは6789.77ドル(約80万円)だった。

修理費見積もり表:Clean Technica

店側は、テスラの車体はアルミニウム合金のダイカスト(特殊鋳造品)であるため、損傷すれば修復は不可能で新しい車体と交換するしかなく、その上3層の塗装と下塗りが必要で修理費用がさらに上昇したと説明したという。新エネルギー車向け保険の関係者も、車体がすべてアルミの場合は衝突すると全体を交換するしかないと話す。

アルミ材は比較的軽いため、アルミを多く使用すれば車体を軽くし、航続距離を延ばすことができる。テスラは全てアルミの一体型ボディであるため、製造効率は高くコストダウンが可能だ。しかし、購入後の修理で「副作用」が明るみになった。オンライン修理費見積りの「Instant Estimator」によると、ベンツCクラスでは同様のフロントフェンダーの損傷と塗装はがれの修理費用は824ドル(約10万円)だ。

テスラに限らず、EVはメンテナンス費用が高い。河南広播電視台の番組によると中国EVメーカー「NIO(蔚来汽車)」では、事故による左前タイヤのパンクとホイールの損傷で修理費用が14万元(約260万円)に達した。中央財経の報道でも、中国の自動車メーカー北汽集団(BAIC Group)傘下の「北京新能源汽車(BAIC BJEV)」でも、所有者が購入して3年で電池交換しようとしたところ、電池の費用は4万元(約70万円)で車の価格(7万元、約130万円)の半分以上になることが分かった。

自動車のアフターサービス業務に長年従事する何涛氏は自動車関連メディア「未来汽車日報」に対し、新エネルギー車の部品価格が高いことがメンテナンス費用が高くなる大きな原因の一つだと話す。自動車保険の調査機関「Zimlon」がテスラの部品のコストを分析したところ、モデルSではボンネットが1300ドル(約15万円)、フロントバンパーが1650ドル(約19万円)、リアドアは930ドル(約11万円)、サンルーフは4500ドル(約53万円)とどれも価格が高かった。

何氏は、新エネルギー車のアフターサービス市場では社外部品は少なく部品はすべてメーカーが握っているため、価格は高くなるという。また、新エネルギー車の保有台数は依然少なく、中国の大手EVメーカーの販売台数は好調な時でも月に1万台程度だ。金型製作費用が高いため、第三者の部品メーカーにとっても儲かる商売ではない。

最後に、深刻な人材不足もEVのアフターサービスの体験に影響している。

新エネルギー車のアフターサービスに従事するある人物は、新エネルギー車の修理には高圧・低圧電路、モーターや充電の制御システムなどガソリン車にはないシステムを学ぶ必要があり、「新エネルギー車のメンテナンス担当者は低圧電気取扱資格のほか、メンテナンスの経験も必要だ」と話す。

さらにEVのスマート化による特性も課題だ。整備士は自動車の修理だけではなく、ソフトウェアシステムの更新にも対応しなければならない。データ会社「We Predict」は2016~21年の1900万台を対象に長期間調査を行い、最終的に得た結論は「整備士がEVを診断するのに必要な時間はガソリン車の2倍、修理期間は2.5倍」だった。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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